米下院民主党、「新クラリティ法案」を協議──SECの監督権限拡大も

米下院民主党が、2027年1月に始まる次期議会に向け、暗号資産(仮想通貨)市場を規制する新法案を協議していると、暗号資産政策を扱うメディア「Crypto in America」のEleanor Terrett(エレノア・テレット)記者が11月5日(日本時間)、Xで伝えた。

11月3日(現地時間)の米中間選挙では、民主党が連邦議会の上下両院で多数派を奪還した。

従来のクラリティ法案は2025年7月に米下院を通過したが、2026年9月、上院で審議入りに向けた採決が否決され、手続きが止まった。当時、民主党の上院議員らは、大統領の政策判断が自身や家族の暗号資産事業の利益につながるのを防ぐため、規定の強化を求めていた。

下院民主党は今回、ウォーターズ下院議員らが2025年7月のクラリティ法案の下院審議で提案した投資家保護策を土台に、新たな法案を検討している。

ウォーターズ氏らの修正案は、暗号資産の取引業者などに、顧客の資産を自社の資産と分けて管理し、出金や資産移転の依頼に原則24時間以内に応じるよう求めていた。

顧客資産を預かる業者には、準備資産の保有状況を会計士の証明付きで少なくとも月1回公表することも求めていた。同年7月、米下院規則委員会は、この修正案を本会議で審議するための動議を否決した。

投資家保護策に加え、新法案の協議では、暗号資産市場をどの当局が監督するかも議題になっている。従来のクラリティ法案の下院通過案では、デジタル商品の現物市場を商品先物取引委員会(CFTC)が監督する枠組みだった。今回は、証券取引委員会(SEC)の役割を広げ、CFTCの役割を限定する案が出ている。

テレット氏によると、下院民主党は、2026年9月の上院採決に先立ち、上院の民主党と共和党が合意した条項も新法案に盛り込む方向だ。ドナルド・トランプ大統領ら連邦政府高官の暗号資産関連活動を制限する倫理条項も盛り込まれる可能性がある。トランプ氏の利益相反は、9月の上院協議でも争点だった。

テレット氏によると、共和党側は、下院民主党の新法案構想について、政治的な立場を打ち出すためのものだと評している。

【次に読む】
» 米民主党、上下両院を奪還──クラリティ法案「今後2年は成立困難」とTDコーウェン
» 米民主党、クラリティ法案の最終案に反発──対案提出へ=報道
» トランプ大統領、クラリティ法案の利益相反規制案を大筋受け入れ=AP

|文:平木 昌宏
|画像:Adobe Stock

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