ドナルド・トランプ米大統領が、暗号資産(仮想通貨)市場構造法案「CLARITY Act(クラリティ法案)」の利益相反規制案を大筋で受け入れた。共和党上院議員らが9月13日に明らかにしたと、AP通信が報じた。
背景には、トランプ氏と家族の暗号資産ビジネスがある。トランプ氏の公式ミームコインが発行されているほか、一家はWorld Liberty Financial(ワールド・リバティ・フィナンシャル)にも関与している。
規制を決める大統領が、規制される業界の事業から利益を得る立場にもある。このため、政策判断が自身や家族の利益に左右されないかが問題視されてきた。今回の規制案は、こうした「利益相反」を防ぐためのルールだ。
AP通信によると、共和党の上級補佐官は、トランプ氏が超党派の提案の約80%に同意したと説明。修正案では、暗号資産発行企業の重要な持ち分について、売却か、本人が運用に関与せず第三者に管理を任せる「ブラインドトラスト」への移管を求めるという。禁止対象のデジタル資産を扱う取引所を、州司法長官が訴えられる規定も受け入れたとされる。
こうした利益相反規制は、クラリティ法案の審議を進めるうえで懸案となっていた。同法案は、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の役割分担などを定めるものだ。上院銀行委員会は5月14日に法案を可決したが、民主党側は政府高官の利益相反への対応を求めていた。
上院共和党は9月10日にも、分散型金融(DeFi)などの規定を見直した修正版を公表した。しかし、利益相反規制に大きな変更はなく、民主党側の懸念は残った。その後、トランプ氏は9月11日に顧問らと対応を協議したと、米政治メディアPOLITICO(ポリティコ)が報じていた。
今回の譲歩は、9月15日に予定される上院での審議入りに向けた手続き採決を前に明らかになった。必要な60票を確保するには民主党議員らの支持も欠かせず、規制の強化が同党側の懸念を和らげ、支持拡大につながるかが焦点となるとみられる。
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|文:平木 昌宏
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