イスラエル銀行(中央銀行)は10月24日、ネタニヤフ首相が示した経済制裁への対策を巡り、暗号資産(仮想通貨)は制裁回避の手段にならないとの見解を示した。現地経済メディアが同日報じた。
中銀は、主要な貿易相手国との経済関係を維持し、制裁とその悪影響を防ぐことに注力すべきだと説明した。その責任は政治指導部にあると指摘したという。一方、首相は暗号資産の活用案を撤回せず、実際に使うかは決まっていないと述べたとされる。
発端は、首相が10月23日放送の経済専門テレビ局Channel 10(チャンネル10)のインタビューで示した構想だ。首相は銀行への制裁も想定し、通常の銀行取引に代わる経済の仕組みを準備する必要があると説明した。ブロックチェーンの活用を対応手段の1つに挙げ、計画の策定をすでに求めたと明らかにしていた。
現地メディアによると、首相は10月24日の別のテレビインタビューで、暗号資産は複数ある対応手段の1つだと説明した。中銀の助言には感謝し、反対意見も考慮するものの、自らが正しいと考える判断を下すとの姿勢を示したという。
国内のハイテク業界からも批判が出ている。業界団体は、企業活動には自由な市場と国際貿易が欠かせないと指摘。経済的な孤立が進めば、企業の閉鎖や投資の停止、海外への事業移転につながると警告したという。
暗号資産にも制裁に基づく資金凍結は及ぶ。米ドル連動型ステーブルコインの発行元Tether(テザー)は、当局から提供された情報に基づき、制裁対象者や犯罪組織に関連するUSDTの凍結を支援している。
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|文:平木 昌宏
|画像:Adobe Stock


