● 今週のビットコインは、中東情勢の緊迫化を受けて下落した後、AI関連株高を背景に持ち直したものの、米追加利上げ観測やAI投資の採算性への懸念に加え、Binanceのハッキング疑惑が重石となり、BTC=76,000ドル(約1197万円)台まで下落した。
● 来週のビットコインは、バイナンスのハッキング疑惑を受けた市場の混乱が続く一方、米中間選挙や雇用統計、米イラン情勢の動向次第では一段安となる展開も予想される。直近の価格レンジとして、上値はBTC=82,000ドル(約1291万円)、下値はBTC=74,000ドル(約1165万円)を意識する。
今週(10月23日~10月29日)の相場動向
相場回顧BTC:AI投資懸念にバイナンスのハッキング疑惑が重なり、76,000ドル台へ下落
ビットコインは、中東情勢の緊迫化を受けて下落した後、AI関連株高を背景に持ち直したものの、米追加利上げ観測やAI投資の採算性への懸念に加え、Binanceのハッキング疑惑が重石となり、BTC=76,000ドル(約1197万円)台まで下落した。
週初は、イラン支援のフーシ派によるサウジアラビアのエネルギー関連施設への攻撃で原油価格が上昇し、米国株が軟調に推移する中、ビットコインも売りが優勢となった。現物ETFからの大規模な資金流出も重なり、BTC=80,000ドル(約1260万円)を割り込んだ。
その後、メタ・プラットフォームズ[META]の巨額資金調達計画でAI投資の負担が意識されたものの、アンソロピックのIPO申請書類公開で急速な売上成長が明らかになると、AI・半導体関連株に買いが広がった。さらに、アンソロピック向けのブロードコム[AVGO]製半導体の導入を支える630億ドル規模の融資計画も好感され、米国株が続伸。ビットコインもBTC=81,000ドル(約1275万円)台まで持ち直した。
しかし、フーシ派がサウジ最大の製油所への攻撃を主張し、原油価格が再び上昇。米FOMC(米連邦公開市場委員会)では政策金利が据え置かれたものの、ウォーシュFRB(米連邦準備制度理事会)議長はインフレの高止まりやAI投資への金利の影響を指摘した。
さらに、マイクロソフト[MSFT]の好決算とは対照的に、アルファベット[GOOGL]の決算では巨額のAI投資によるキャッシュフロー悪化が嫌気され、ビットコインは再びBTC=80,000ドル(約1260万円)を割り込んだ。
そこへ暗号資産取引所大手バイナンスで数十億ドル規模の不審な資産流出が発覚し、入出金が一時停止されると、大規模なハッキングへの懸念から暗号資産全般に売りが広がり、BTC=76,000ドル(約1197万円)台まで一段安となった。

来週(10月30日~11月5日)の相場予想
BTC(ビットコイン)は米中間選挙とバイナンスのハッキング疑惑が焦点、下値模索が続くか
来週のビットコインは、バイナンスのハッキング疑惑を受けた市場の混乱が続く一方、米中間選挙や雇用統計、米イラン情勢の動向次第では一段安となる展開も予想される。
まず、11月3日の米中間選挙が最大の注目材料となる。直近の世論調査では民主党への支持が共和党を上回っており、選挙結果によって議会の勢力図が変化すれば、トランプ政権の政策運営を巡る不透明感が強まる可能性がある。特に、共和党が議会の多数派を失えば、CLARITY法案をはじめとする暗号資産関連政策の進展期待が後退することも考えられる。選挙前後は米国株を含めて相場の変動が大きくなりやすく、ビットコインも下値を探る展開には注意したい。
暗号資産市場では、バイナンスの大規模なハッキング疑惑を受けて暗号資産全般の売りが強まっている。同社は入出金を一時停止し、損失の全額補償を表明する一方、テザーやサークルなどの協力によって関連資産の一部が凍結されたと報じられている。ただし、被害の全容や原因は依然として不明であり、入出金停止が長引けば取引所への信用不安から売り圧力が続く可能性がある。一方、早期のサービス正常化や補償の具体化が確認されれば、過度な警戒感が和らぎ、買い戻しにつながるだろう。
米金融政策では、11月6日に発表される10月米雇用統計に注目したい。今週のFOMCでは政策金利が据え置かれたものの、2人の委員が利上げを主張するなど、インフレへの警戒は依然として強い。雇用統計が市場予想を上回れば、12月FOMCでの追加利上げ観測が強まり、米金利高とドル高を通じてビットコインの重石となるだろう。一方、雇用の減速が確認されれば、金融引き締めへの警戒が和らぎ、買い戻しにつながる可能性がある。
株式市場では、米企業決算を受けたハイテク株の動向にも注意したい。今週はアルファベットの決算が市場予想を下回り、巨額のAI投資による収益性への懸念が改めて意識された。来週はアップル[AAPL]やパランティア・テクノロジーズ[PLTR]、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ[AMD]などが決算を予定している。好業績を受けてハイテク株が持ち直せばビットコインにも追い風となる一方、AI投資の収益性への警戒が広がれば、米国株とともに売り圧力が強まる可能性がある。
米イラン情勢では、中間選挙後の軍事衝突再拡大がリスクとして意識されている。米国が中東の同盟国に対し、選挙後の対イラン攻撃や報復への備えを促したと報じられる一方、バンス米副大統領がイラン側に和平交渉の再開を求める書簡を送るなど、外交的な解決を模索する動きもみられる。軍事作戦が実施されれば原油高とインフレ懸念を通じてビットコインに下押し圧力が及ぶ一方、協議が進展すれば原油供給への警戒が和らぎ、相場の支援材料となる可能性がある。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=82,000ドル(約1291万円)、下値はBTC=74,000ドル(約1165万円)を意識する。
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