アメリカ証券取引委員会(SEC)は10月23日、2027会計年度の検査優先事項を公表し、証券のトークン化を重点分野に加えた。2026年度の優先事項にトークン化への言及はなかった。
報告書は、システム遵守・整合性規制(Regulation SCI)に基づく検査について「SI、証券のトークン化、取引時間の延長、量子コンピューティングといった新たな動向に焦点を当てる」と記した。SIはトランプ政権が人工知能(AI)を指す際に用いる「超知能」の略だ。
清算機関の検査でも、トークン化を債務不履行時のリスク管理、証券貸借、業務運営と並ぶ高リスク分野に挙げた。
背景には、トークン化の実用化がある。SECは9月、トークン化株式のオンチェーン取引を認める5年間の「イノベーション免除」を発行した。10月にはOKXとインターコンチネンタル取引所(ICE)の合弁会社が、63銘柄を扱う取引施設の開設を届け出た。
検査部門を率いるKeith Cassidy(キース・キャシディ)氏は「我々が監督する市場は急速に進化し続けており、検査プログラムもそれに合わせて進化しなければならない」と述べた。
優先事項に法的拘束力はなく、SECがトークン化を新たな資産分類ではなく市場インフラの運用リスクとして扱う姿勢を示したものだ。暗号資産は2年連続で独立した項目から外れたが、トークン化証券を扱う事業者は検査で実務面の点検を受ける段階に入る。
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|文・編集:井上 俊彦
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