ドナルド・トランプ米大統領は10月30日、暗号資産(仮想通貨)取引所Binance(バイナンス)の資産流出事件について、北朝鮮のハッカーが関与した可能性を調べていると述べた。Bloomberg(ブルームバーグ)が同日報じた。
同報道によると、流出額は63億ドル(9891億円、1ドル=157円)に上り、暗号資産業界で過去最大の盗難事件となった。トランプ大統領はホワイトハウスの大統領執務室で、北朝鮮の関与を問われ、「分からない。調べている」と答えたという。
北朝鮮のハッカーは、これまでも暗号資産業界を標的にしてきた。米連邦捜査局(FBI)やサイバーセキュリティーの専門家は、近年の大規模な暗号資産盗難事件への関与を指摘している。欧米諸国は、北朝鮮がハッカー集団を育成し、兵器開発の資金獲得に利用していると非難してきた。
バイナンスは10月30日、今回のハッキングについて、被害総額を約63億ドルと推計し、損失を全額補償する方針を発表した。約30億ドル相当の資産をブロックチェーン上で凍結している。
その後、同社は最新の公式発表で、入金は通常通り利用できる一方、出金はセキュリティー確認のため停止を続けていると説明した。安全確認の完了を条件に、発表時点から約34時間以内に出金を段階的に再開する方針を示している。
ブルームバーグによると、トランプ大統領は、バイナンスが損失を補償すると説明していることに言及。一方で、資金を直接目にする機会がなくなったとして、こうした取引には以前から「少し危険だと感じていた」と語ったという。同社の対応については、「事態はおおむね管理できていると聞いている」とも述べた。
バイナンスは、トランプ大統領の一族が関わる事業とも接点がある。ブルームバーグによると、大統領と息子らが共同設立したWorld Liberty Financial(ワールド・リバティ・フィナンシャル)のステーブルコイン開発を支援した。
また、トランプ大統領は2025年、マネーロンダリング対策の不備を認めて有罪となったバイナンスの共同創業者で元CEOのChangpeng Zhao(チャンポン・ジャオ)氏に恩赦を与えている。
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|文:平木 昌宏
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