ビットコイン、META好決算後に急落 AI懸念は行き過ぎ?【楽天ウォレットDaily Report】

ポイント

・8.4万ドル台から8.1万ドル割れに失速
・AI株失速で下落加速、
・METAのCFマイナスが嫌気、PHP問題もセンチメント悪化
・独仏Spr拡大で日米債に逃避買い、AI懸念一巡で反発余地

昨日のBTC市場

昨日のBTC市場は下落。

朝方に8.4万ドル(約1,315万円)台で上値を押さえられると、海外時間に一時8.1万ドル(約1,265万円)を割り込んだ。この間、ドル円相場も158円台から156円台に失速し、円建て価格の下落に拍車をかけている。 

BTCは8.7万ドル台でピークアウトした後、先週に8万ドル割れで切り返すと、半値戻しとなる8.3万ドル台で上値を押さえられ、8.1~8.3万ドルのレンジでの取引を続けた。 

火曜日にパキスタンが仲介する和平提案が合意間近との報道を受けて8.3万ドル台に乗せると、水曜日にはロシア当局が米露ウの3者協議に前向きな姿勢を示したことで半値戻しをクリアし、8.4万ドル台に値を伸ばした。今週に入りETFフローが3日で10.8億ドルの流入があったことも、相場の上昇を後押しした。 

ところが、米20年債入札が不調だったこともあり上昇が一服すると、注目のMETA決算は良好だった一方、テスラ決算は芳しくなく、まちまちな結果となった。また、半導体製造装置大手のラム・リサーチが好決算を発表したものの、中国向けの先行き不安から時間外で株価が下落。続いて日韓株が下落すると、リスクオフの流れからBTCはじりじりと値を下げ始めた。サイト作成言語であるPHPの脆弱性に対する攻撃が急速に拡大し、AIへの負のイメージが膨らんだことも、こうしたテック株の不振につながった可能性がある。

さらにMETA社の設備投資に対する不安も浮上し、米株がオープンすると同社株が急落したことで、BTCは8.1万ドルを割り込んだ。暗号資産関連VC大手のa16z Cryptoがa16z Frontierに改名したことも、若干嫌気されたか。

また、原油価格は100ドル前後の高値圏でもみ合っているが、米国が中東地域の外交官を退避させ、サウジの空港への攻撃で犠牲者が出たことも、市場のリスクセンチメントを悪化させた可能性がある。 

足元では8.1万ドルを挟んでのもみ合い推移となっている。 

本日のBTC市場

本日のBTC市場は底堅い展開を予想する。 

BTC/JPY price chart with time axis and yellow arrows highlighting major events (ETF news, SpaceX, META) and subsequent price decline.

8.7万ドルのピークからの半値戻しをクリアし、下降チャネルの上限にトライしたBTCだったが、結局跳ね返されて、今度はレンジの下限をトライする格好となった。きっかけはAI半導体株の失速。好決算で時間外に上昇したMETA株は前日比7%安、過去最高決算を記録したラム・リサーチは12%安となった。 

当初好感されたMETA決算だったが、フリーキャッシュフローが14年ぶりにマイナスに転じたことが、資金が潤沢と思われてきたハイパースケーラーでさえ外部資金に頼らざるを得ないのかと嫌気された。ただ、企業が外部資金を活用して設備投資を行うこと自体は自然であり、特にAIのような急成長分野に大きくコミットすることを一概に問題視するのはやや行き過ぎのようにも感じる。 

AI関連の巨額投資が回収可能かどうかは常に議論になるが、結論は数年先になってみないとわからない。答えの出ない不安がつきまとう中で、市場は悲観と楽観を繰り返しており、そうした中で後付けで「やはり過剰だった」といった指摘が出回りやすいのかもしれない。特にPHPの脆弱性問題などでAIの負の側面が注目されると、そうした不安心理が増幅されやすい面はある。 

もっとも、数か月前にはAIがここまでハッキングなどを加速させるとはほとんど想像されていなかったことを考えれば、数年後の状況まで正確に見通すことはできない。一方で、うまく使えば大きな成長につながる可能性を多くの人が感じているのも事実だ。そうした分野に対して「先行きが不透明だからキャッシュフローの範囲内に収めるべき」という見方には、慎重すぎる印象を受ける。 

このリスクオフ局面での逃避買いで日米の国債が買われたが、BTCはついていけなかった。一方で独仏国債スプレッドが拡大し、BTCが独特の財政不安による逃避買いも見られる中、BTCはレンジ内での取引を続けている。AI懸念が一巡すれば、BTCは再び上昇軌道に戻る可能性がある。 

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※この記事は「楽天ウォレット」のデイリーレポートを転載したものです。
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