米中間選挙まで残り2日、民主党リードと過去最高水準の期日前投票が示す米国の変化【サンフランシスコレポート】

エックスウィンのアメリカマーケットリサーチアナリスト、デリア・ロホです。

サンフランシスコから、米国経済と政治、そして暗号資産市場の最新動向をお伝えします。

11月3日の米国中間選挙まで、残り2日となりました。

今回の選挙は、トランプ大統領の残り2年間の政権運営を左右するだけでなく、世界の金融市場やビットコイン(BTC)の今後にも影響する重要なイベントです。

最新の世論調査では民主党への支持が共和党を上回り、期日前投票も非常に活発です。しかし、選挙結果は依然として確定していません。

今回は、選挙直前の米国社会の変化を整理するとともに、ビットコインと暗号資産規制への影響について考えます。

民主党53%、共和党44%──最新世論調査の意味

10月26日に公表されたReuters/Ipsosの調査では、投票する可能性が高い有権者の下院投票意向は、民主党53%、共和党44%となりました。

民主党が9ポイント上回っています。

また、トランプ大統領の支持率は32%、経済政策への支持率は25%、生活費への対応に対する支持率は20%でした。

今回の選挙で特に重要なのは、生活費の問題です。

インフレ、ガソリン価格、住宅費、医療費。これらは米国の有権者にとって日常生活に直結する問題です。

トランプ政権は経済成長や投資拡大を重視していますが、経済全体が成長していても、家計がその恩恵を実感できるとは限りません。

ただし、全国世論調査の数字が、そのまま議会の議席数を決めるわけではありません。下院は435の選挙区で争われ、上院は州ごとの選挙結果によって構成が決まります。

5,100万人以上が投票済み──期日前投票に見る変化

10月31日のReuters報道によると、すでに5,100万人以上が期日前投票を済ませています。

AP通信の集計でも、投票5日前の時点で4,300万票以上が投じられ、2022年の中間選挙の同時期より約1,000万票多いペースとなっていました。

テキサス州では2022年の同時期と比べて約50%、メーン州では44%、ミシガン州では32%増加しています。

しかし、ここで注意したいことがあります。

期日前投票が増えたからといって、民主党が議席を増やすと判断することはできません。

米国では、共和党支持者も民主党支持者も郵便投票や期日前投票を利用します。また、共和党に登録している人が民主党候補に投票することも、その逆もあります。

登録政党と実際の投票先は、必ずしも一致しません。

私は今回、投票者数そのもの以上に、どの地域で投票率が変化しているのか、そして無党派層がどの争点を重視しているのかに注目したいと考えています。

上院の接戦州では、最後まで不確実性が残る

現在の上院は共和党53議席、民主党系47議席です。

民主党系が過半数を確保するためには、現在の議席構成から純増4議席が必要となります。

注目されるのは、メーン、オハイオ、テキサス、ミシガン、ノースカロライナ、アラスカなどの選挙です。

例えば、メーン州では10月下旬のCNN調査で民主党候補49%、共和党候補45%。テキサス州ではCNN調査で民主党候補49%、共和党候補43%という結果が公表されました。

一方、テキサス州の別の調査では共和党候補がわずかに上回る数字も出ています。

このように、調査機関や対象者によって数字に違いがあります。僅差の調査を確定的な選挙結果として扱うべきではありません。

また、今回の選挙では投票手続きや郵便投票を巡る法的な争いも報じられています。

選挙当日の開票速報だけでなく、その後の集計や結果確定まで注視する必要があります。

ビットコイン8万ドル割れ──選挙前に起きた市場の変化

今回の中間選挙は、ビットコイン市場が厳しい局面にあるなかで迎えます。

10月31日のビットコイン価格は約7万7,400ドルとなり、重要視されていた8万ドルを下回りました。

さらに、10月30日の米国現物ビットコインETFでは、約6億4,320万ドルの純流出が発生しました。

10月26日から30日までの週間合計でも、約2億200万ドルの純流出となっています。

金融政策の環境も簡単ではありません。

10月28日、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を3.75〜4.00%に据え置きました。インフレが依然として高いことを指摘し、2名の委員は利上げを主張しました。

中間選挙が終わったからといって、こうしたマクロ経済の問題が解消されるわけではありません。

また、米国の暗号資産市場構造を定めるCLARITY Actは、9月の上院手続き採決で必要な票数を確保できず、審議が停滞しています。

新しい議会の構成は、暗号資産規制の議論にも影響する可能性があります。

デリアの視点──今回の選挙で本当に注目すべきこと

今回の中間選挙について、私が最も重要だと考えているのは、米国社会の経済的な不満と、金融市場が期待する成長との間にある隔たりです。

株式市場や暗号資産市場に参加する投資家は、金融政策、企業業績、資金流入、将来の成長に注目します。

しかし、有権者が日々向き合っているのは、食料品やガソリン、住宅、医療などの支払いです。

金融市場にとって好ましい政策が、すべての有権者から同じように評価されるとは限りません。

この違いを理解しなければ、今回の選挙を正しく読み解くことは難しいと考えています。

そして、ビットコイン市場については、三つの変化に注目しています。

第一に、選挙後の財政政策と米国長期金利です。政策への期待が変化すれば、ドル相場や投資家のリスク許容度にも影響します。

第二に、米国の暗号資産規制です。CLARITY Actを含む制度整備がどのように進むのかは、機関投資家にとって重要です。ただし、法案の成立には党派を超えた合意が必要となる場合があります。

第三に、ビットコインへの実際の資金流入です。政治的な不確実性が低下しても、ETFから資金が流出し続ければ、価格の回復は容易ではありません。

過去には、中間選挙後の1年間にビットコイン価格が上昇した事例があります。しかし、歴史がそのまま繰り返される保証はありません。

私が今回伝えたいのは、民主党と共和党のどちらが議席を獲得するかだけで、市場の未来を判断すべきではないということです。

重要なのは、選挙によって何が変化し、その変化が政策、金融環境、そして資金の流れにどのようにつながるのかを考えることです。

11月3日の選挙は一つの節目です。しかし、その結果を受けて米国社会と金融市場がどのように動くのか。本当に重要なのは、むしろ選挙の後かもしれません。

引き続き、サンフランシスコから米国の政治、経済、暗号資産市場の変化をお伝えしていきます。

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