スコット・ベッセント米財務長官は10月27日、暗号資産(仮想通貨)が米ドルの国際的な優位性を維持・強化する重要な手段になるとの見解を示した。米ニューヨークで開催されたRipple(リップル)主催の「Swell 2026」で、同社のBrad Garlinghouse(ブラッド・ガーリングハウス)CEOとの対談で語った。
ベッセント氏は、歴史的に基軸通貨の地位は軍事力に支えられてきたと指摘したうえで、今後は技術的な優位性が一段と重要になるとの考えを示した。人工知能(AI)や半導体を巡る米中競争に触れ、暗号資産を支える金融インフラも競争領域の一つになると説明した。
特に期待を示したのが、米ドル連動型ステーブルコインの普及だ。同氏は、ステーブルコイン市場の90%超が米ドルに連動していると述べた。発行体が準備資産として米国債などを保有するため、市場の拡大が米国債への新たな需要につながる可能性があるという。
また、ステーブルコインは既存のドル保有者の利用を置き換えるだけでなく、自国通貨のインフレや急落に直面する新興国の利用者に、ドルへのアクセスを広げる手段になると強調した。
トランプ政権は2025年7月、ステーブルコインの連邦規制枠組みを定める「GENIUS法(ジーニアス法)」を成立させた。一方、暗号資産市場全体の規制を整備する「CLARITY法案(クラリティ法案)」は下院を通過したものの、2026年9月に上院で審議を進めるための動議が否決され、成立に至っていない。
ベッセント氏は法案の停滞に失望を示しつつ、米証券取引委員会(SEC)や商品先物取引委員会(CFTC)と協力し、既存の権限に基づく規制整備を進める考えを示した。ベッセント氏は、銀行による顧客との取引関係の解消やサービス提供の制限を指す「デバンキング」についても、暗号資産企業への影響を念頭に、規制上の対応を進める考えを示した。
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|文・編集:Shoko Galaviz
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