米中間選挙まであと9日。民主党リードの世論調査、それでも結果が読めないアメリカの現実【サンフランシスコレポート】

エックスウィン アメリカマーケットリサーチアナリストのデリア・ロホです。

サンフランシスコから、今回は11月3日に迫ったアメリカ中間選挙についてお伝えします。

今週末の土曜日には、5年以上にわたり毎週土曜日の朝6時から開催されている「JPYCとエックスウィンのXスペース」に、アメリカ市場アナリストとして出演します。

この番組は、JPYCとエックスウィンが長年継続してきた、暗号資産やブロックチェーン、金融の未来について語り合うXスペースです。

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今回は、アメリカ中間選挙をテーマに、現地の政治情勢やアメリカ人の心理、そして選挙がビットコイン市場に与える影響について、詳しく解説する予定です。

その前に、現地で暮らすアメリカ人として、今の選挙をどう見ているのか、少しお話ししたいと思います。

現在の世論調査では民主党が共和党をリードしています。

しかし、アメリカの選挙は、数字だけでは読み解けません。

特に今回の選挙では、すでに始まっている郵便投票や期日前投票、共和党支持者の投票行動、そして物価高に対する国民の不満が重要な要素になっています。

民主党がリードする世論調査。しかし、まだ結果ではない2026年10月下旬の全国世論調査では、民主党候補への支持が共和党候補への支持を上回っています。

例えば、Morning Consultが10月18日までに実施した調査では、民主党候補への支持が50%、共和党候補への支持が43%でした。

別の調査でも民主党のリードが確認されていますが、その差には違いがあります。

こうした数字を見ると、民主党が議席を増やすという見方が広がるのも理解できます。

ただし、ここで注意しなければならないことがあります。

アメリカの中間選挙は、全国の得票率だけで決まるわけではありません。

下院は選挙区ごと、上院は州ごとに選挙が行われます。全国で民主党の支持率が高くても、接戦となっている選挙区でどちらの候補者が票を集めるかによって、議会の構成は変わります。

また、世論調査で支持を表明することと、実際に投票することも別です。

選挙を決めるのは、支持率そのものではなく、最終的に投じられた票なのです。すでに投票したアメリカ人も多い今回、私が特に注目しているのが期日前投票です。

アメリカでは11月3日の投票日を待たず、すでに多くの有権者が投票を済ませています。10月下旬には、全米で2,000万票を超える期日前投票が報告されています。ただし、州によって集計・公表のタイミングが異なるため、数字には注意が必要です。

日本の皆さんには少し不思議に感じられるかもしれませんが、アメリカでは州によって選挙の仕組みがかなり異なります。

郵便で投票用紙を送る人もいれば、投票所に直接行く人もいます。紙の投票用紙を機械で読み取る方式や、電子端末で候補者を選ぶ方式もあります。

ただし、電子機器を使う投票と、インターネット上で投票することは同じではありません。

そして、もう一つ大切なことがあります。郵便投票は民主党支持者だけが利用するものではありません。

共和党支持者の中にも、すでに郵便投票や期日前投票を済ませた人がいます。

共和党支持者が民主党に投票することもあるアメリカの選挙で興味深いのは、支持政党と実際の投票先が必ずしも一致しないことです。

共和党支持者だからといって、すべての選挙で共和党候補に投票するとは限りません。

例えば、共和党を支持していても、現在の経済政策に不満を感じ、特定の選挙では民主党候補を選ぶ人がいるかもしれません。

逆に、民主党支持者であっても、移民政策や治安問題を重視して共和党候補を選ぶ可能性があります。アメリカでは、上院、下院、知事などの選挙で、それぞれ異なる政党の候補者に投票することもできます。

ただし、誰がどの候補者に投票したのかは秘密投票によって保護されています。期日前投票のデータで分かるのは、主に投票者の登録政党や投票方法であり、実際に選んだ候補者ではありません。

そのため、共和党登録者の投票が増えたという情報だけで、共和党候補の得票が増えたと判断することはできません。

こうした点が、今回の選挙を複雑にしています。

今のアメリカ人が最も気にしているのは、毎日の生活 私は、今回の選挙を考えるうえで、政治的な支持率と同じくらい重要なのが国民の生活実感だと思っています。

アメリカでは、インフレや生活費の高さに対する不満が続いています。スーパーでの買い物、住宅費、医療費、保険料、ガソリン代。特にサンフランシスコ周辺では、生活するために必要なお金の大きさを日々実感します。

経済指標が改善していても、家計が楽になったと感じるとは限りません。以前の記事でもお話ししましたが、私は最近、アメリカ人が将来に希望を持ちにくくなっているように感じることがあります。

共和党支持者も民主党支持者も、生活を良くしたいという願いは同じです。

しかし、そのために必要だと考える政策が異なります。今回の中間選挙は、単なる共和党と民主党の争いではありません。アメリカ人が、今の生活と将来に対してどのような評価を下すのか。

その側面も強いと感じています。選挙直前まで何が起こるか分からない投票日まで残りわずかですが、まだ注目すべき要素があります。

一つは無党派層の動きです。

普段は政治に強い関心を持たない人が、物価高や国際情勢をきっかけに投票することもあります。

もう一つは、選挙直前のニュースです。経済指標、外交問題、候補者に関する新しい情報などが、有権者の判断材料になる可能性があります。そして、開票にも注意が必要です。

アメリカでは州ごとに郵便投票の処理や集計のルールが異なります。そのため、選挙当日の開票速報で一方の政党が先行しても、集計が進むにつれて差が変化することがあります。

これは必ずしも不正や異常を意味するものではなく、投票方法や集計順序の違いによって生じる現象です。だからこそ、私は選挙当日の速報だけでなく、その後の正式な集計にも注目したいと思っています。

中間選挙はビットコインに何をもたらすのか最後に、暗号資産市場への影響について考えてみたいと思います。

今回の中間選挙は、ビットコイン市場にとっても重要な政治イベントです。議会の構成が変われば、暗号資産規制、ステーブルコイン関連法案、税制などの議論にも影響が及ぶ可能性があります。

ただし、民主党が議席を増やせばビットコインが下がる、共和党が議席を維持すれば上がる、といった単純な関係ではありません。

むしろ私が注目しているのは、選挙後の政治的不確実性と金融市場の反応です。

市場は、結果そのものだけでなく、事前の予想と実際の結果との差にも反応します。

さらに、米国債利回り、ドル、インフレ見通し、FRBの金融政策といった要素もビットコイン価格に影響します。

選挙後に政策の方向性が明確になれば、市場の不透明感が和らぐ可能性があります。

一方、議会内の対立が強まれば、新たな不確実性が生じることも考えられます。

そのため、選挙結果だけでなく、ETFへの資金流入、オンチェーンデータ、先物市場のポジションなども合わせて確認することが重要だと思います。

サンフランシスコから見つめるアメリカの選択

アメリカの中間選挙は、単なる議席争いではありません。

インフレに対する不満、政治への信頼、将来への期待、そしてアメリカがどのような社会を目指すのか。

さまざまな思いが、一票に込められています。

現時点の世論調査では民主党への支持が共和党を上回っています。

しかし、すでに投票を済ませた人々の実際の選択は、まだ分かりません。

共和党支持者が民主党候補に投票することもあれば、その逆もあります。

そして、最後まで判断を迷っている人もいます。

世論調査は現在の空気を映します。

しかし、選挙結果を決めるのは、一人ひとりの投票です。

今週末の「JPYCとエックスウィンのXスペース」では、こうしたアメリカの選挙制度、現地の人々の心理、そしてビットコイン市場への影響について、さらに詳しくお話しする予定です。

5年以上続いてきたこの番組を通じて、日本の皆さんにも、ニュースの数字だけでは伝わりにくいアメリカの今をお届けできればと思っています。

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