CFTCがFAQ公表、顧客資金によるトークン化資産への投資を容認

米商品先物取引委員会(CFTC)は9月24日、金融事業者が顧客資金をトークン化商品で運用する際のルールを明らかにした。従来から投資が認められている金融商品の範囲内であれば、一定の条件のもと、ブロックチェーン上で発行されたトークン化版にも顧客資金を投資できる。

今回明確になったのは、金融商品の中身ではなく、取り扱える形式が広がったという点だ。対象となるのは、これまで投資が認められていた金融商品のトークン化版に限られる。ビットコインや決済用ステーブルコインなどが、新たに顧客資金の投資先として認められたわけではない。

先物取引業者(FCM)やデリバティブ清算機関(DCO)は、顧客から取引に必要な資金や証拠金を預かっている。こうした資金は顧客保護のため、投資できる商品が厳しく制限されている。

CFTCは3月20日、暗号資産やブロックチェーン技術の取り扱いを説明するFAQを公表した。9月24日の更新では、新たに4項目を追加し、1項目を書き換えた。

更新版FAQによると、顧客資金をトークン化商品に投資するための条件は4つある。

まず、トークンの裏付けとなる金融商品が、もともとCFTCの規則で認められた投資対象でなければならない。トークン化したことで、新たに投資対象として認められるわけではない。

次に、トークンの保有者は、従来形式の商品を保有する場合と同じ、または実質的に同等の権利を得る必要がある。例えば、商品の償還や利益の受け取りに関する権利が、トークン化によって失われてはならない。

さらに、換金のしやすさや投資額の上限、満期までの期間など、従来の商品に適用される規制も守る必要がある。トークン化商品は、CFTCの規則で認められた金融機関などに保管しなければならない。

政府系MMFのトークン化版に顧客資金を投資する場合は、資金を保管する機関から書面による確認を得る必要もある。商品をトークン化するだけでなく、保管や換金の仕組みまで整えることが求められる。

一方、決済用ステーブルコインに顧客資金を投資することは、引き続き認められていない。一定の暗号資産を取引の証拠金として預かることと、預かった顧客資金の投資先にすることは別の扱いとなる。

今回の更新により、金融商品の形が紙や通常の電子記録からトークンに変わっても、必要な権利や安全性が保たれていれば、従来の規制の中で扱えることが明確になった。

なお、FAQは顧客資金の運用とは別に、未清算スワップで利用する証拠金についても説明している。条件を満たすトークン化マネー・マーケット・ファンド(MMF)は、取引開始時に差し入れる証拠金や、価格変動に応じて追加する証拠金として利用できる。

MMFは、国債などの比較的安全性が高い短期資産を中心に運用する金融商品である。CFTCは7月、未清算スワップの証拠金に関する規則を改正し、証拠金として利用できるMMFなどの範囲を広げた。今回のFAQは、その対象に条件を満たすトークン化版も含まれることを具体的に示した。

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|文:平木 昌宏
|画像:Adobe Stock