イタリア中銀、暗号資産送金の制裁審査を厳格化──少額免除も認めず

イタリア中央銀行は9月7日、EU(欧州連合)および国内の制裁措置の遵守手続きに関する通達を出した。暗号資産サービスプロバイダー(CASP)に対し、送金処理時にEUの金融制裁を執行するための方針と内部統制を整備するよう求めている。

CASPは取引関係の開始時などに顧客を照会し、送金の実行前に送金人と受取人の双方の情報を制裁対象者と照合しなければならない。

イタリア中銀が特に注意を促したのは、審査対象に最低金額基準を設けてはならないという点だ。これに関して外部ベンダー製を含め、使用中のシステムを点検するよう求めた。即時送金に認められる例外は暗号資産には及ばないことになる。

これは新たな規制ではなく、根拠は欧州銀行監督機構(EBA)のガイドライン2024/15で、2025年12月30日からすでに適用されている。違反には行政制裁に加え、2025年12月の政令により刑事罰も科される。

背景には制裁回避の広がりがある。CertiK(サーティック)によると、ロシアのルーブル連動ステーブルコインA7A5は発行から1年で累計1100億ドル(約17兆500億円、1ドル=155円換算)を処理した。アメリカも7月14日にイラン中央銀行に関連するウォレットを制裁指定し、1億3000万ドル(約201億5000万円)以上を凍結した。

少額送金まで審査対象となるため、事業者のシステム投資と誤検知対応の負担は増すだろう。これに関して日本は先行しており、2022年5月施行の改正外為法が暗号資産交換業者に送金先が制裁対象でないことの確認義務を課している。

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|文・編集:井上 俊彦
|画像:AdobeStock

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