動画配信大手Netflix(ネットフリックス)は8月13日、2022年に経営破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの盛衰を描くドラマ「The Altruists」を、11月19日から配信すると発表した。
全8話のリミテッドシリーズとなる。
FTXはSam Bankman-Fried(サム・バンクマン=フリード)氏が2019年に立ち上げ、数年で世界最大級に成長した暗号資産取引所だ。
米商品先物取引委員会(CFTC)によると、2021年には世界の暗号資産取引高の約10%を占め、1日あたり約160億ドル(約1兆7600億円、1ドル=110円)を取引していた。これは、取引高ベースで世界第2位とも評される規模だった。
しかし、2022年11月、バンクマン=フリード氏が設立したトレーディング会社Alameda Research(アラメダ・リサーチ)の財務状況をめぐる懸念が表面化すると、FTXでは顧客からの出金が相次いだ。
11月7日までにFTXは顧客からの出金要求に応じるだけの資産を確保できない状態となり、同月11日に米連邦破産法11条の適用を申請。その後、FTXの顧客資金がアラメダに不正流用されていた実態が明らかになった。
米司法省によると、バンクマン=フリード氏は顧客資金80億ドル超を不正に取得し、投資や政治献金、不動産購入、アラメダの債務返済などに使っていた。
世界最大級の暗号資産取引所が短期間で破綻し、大規模な顧客資金の不正流用が発覚したことで、FTX事件は暗号資産業界を揺るがす一大スキャンダルとなった。
当時の暗号資産市場は、ステーブルコイン「Terra(テラ)/LUNA(ルナ)」の崩壊や暗号資産関連企業の相次ぐ経営破綻を受け、すでに「暗号資産の冬」と呼ばれる低迷期に入っていたが、FTXの破綻は市場の混乱をさらに深刻化させた。
バンクマン=フリード氏は2023年11月、詐欺や共謀など7つの罪で有罪評決を受け、2024年3月に懲役25年を言い渡された。その後、判決を不服として控訴したものの、米連邦第2巡回区控訴裁判所は2026年6月に控訴を退け、有罪判決を支持した。
Netflixによると、「The Altruists」ではバンクマン=フリード氏と、アラメダを率いたCaroline Ellison(キャロライン・エリソン)氏を中心に、FTXの急成長から崩壊までを描くという。
「The Altruists」はNew York Magazine(ニューヨーク・マガジン)の報道をもとに制作されている。
|文:平木 昌宏
|画像:Adobe Stockより


