ビットコイン、仏国債危機で逃避買い、今晩は雇用統計【楽天ウォレットDaily Report】

ポイント

・レンジの上限トライ、8.5万ドル台にしっかり乗せる
・仏国債売りで米債とBTCに逃避
・10月利上げの織り込みは約3割に低下
・雇用統計次第でレンジ上限を試す

昨日のBTC市場

昨日のBTC市場は底堅い展開。

BTC/JPY hourly candlestick chart with dotted support/resistance lines, yellow arrows pointing to major events (news, regulatory moves) and ticker banners at the bottom.

一昨日8.5万ドル(約1,345万円)台半ばで上値を押さえられると、昨日午後に8.3万ドル(約1,310万円)近くに値を落としたが、今朝方再び8.5万ドル台に値を伸ばしている。

BTCは8.7万ドル台で小さなダブルトップを形成し上昇が一服すると、ネックラインの8.5万ドルがレジスタンスとなり、レジスタンスゾーンだった8.2万〜8.3万ドルがサポートとなり、狭いレンジのもみ合いを続けていた。

イランの停戦提案を米国が拒否したこともあり、週明けの原油価格が上昇、BTCも8.2万ドル台に値を落としたが、レンジの下限で下げ渋ると、サウジのヤンブー港での積み出し再開やホルムズ海峡経由の供給が増加しているとの報道が相次ぎ、WTIが90ドル割れまで下落。またウィリアムズNY連銀総裁が利上げを急いでいないとする中、BTCは8.4万ドル台に反発した。さらに水曜日のコアPCEデフレーターが弱く、10月利上げ織り込みが3割まで低下すると、BTCは一時8.5万ドル台半ばに値を伸ばし、上述のネックラインを上抜けた。しかし利上げ観測の後退によりイールドカーブがスティープニング、10年債金利が5.3%まで急上昇する中、BTCは8.3万ドル台に失速した。ETFフローが10営業日ぶりに流出に転じたことも影響したか。

朝方発表されたマイクロンテクノロジーの決算は良好で、原油価格も再び90ドルを割り込む中、リスクオン気味でBTCは強含んだが、午後に入ると中国が国慶節中の石油製品の輸出を停止、原油価格が上昇。またフランスが緊縮予算を発表するも、少数与党のため議会を通すことは困難との見方もありフランス国債金利が急上昇、米債金利もつれ高となる中、BTCは上値を抑えられた。

注目のISM製造業が予想を若干下回ったもののほぼ予想通りとなったが、未明から早朝にかけてフランス国債が大きく売られ、ドイツ国債とのスプレッドが2012年のギリシャ危機以来の1.4%まで拡大。「質への逃避」買いで米10年債金利が5.34%から5.21%に急低下すると、BTCも8.5万ドル台に値を伸ばした。

なお今朝方SECが、適格カストディがない銘柄について投資会社に自己保管を認める規制案を発表、一部で歓迎されたが、主要銘柄のカストディはすでに存在しており、市場への影響は限定的だった。

本日のBTC市場

本日のBTC市場は雇用統計次第ではレンジの上限をトライする展開も。

一昨日、8.5万ドル半ばでレンジの上限を上髭でクリアしたBTCだが、初回トライはダマしに終わったものの、今朝方しっかり8.5万ドル台に値を伸ばしている。

きっかけはフランス国債の債務危機的動き。同国債のメルクマールとなる10年の独仏スプレッドは、2027年の国債発行額が過去最大になると発表された9月29日から3日間で1.12%から1.4%に急拡大。ギリシャ危機以来の水準となった。当時は考えられなかったが、今やフランス国債の利回りはイタリア国債を上回っている。

この結果、米国債に逃避買いが集まり、その流れでBTCにも買いが入った。フランス政府は緊縮財政を目指しているが、少数与党かつ来年の大統領選が極右のルペン氏と極左のメランション氏の決選が有力視される中、政治リスクが嫌気された格好か。長期金利の上昇はリスクオフで当初BTCは売られるが、極端な上昇はBTCへ逃避買いが出ることが示された展開だ。

本日はいよいよ雇用統計。週初に7割に達していた10月利上げの織り込みはウィリアムズ総裁発言、コアPCEデフレーターと続き3割に低下している。このストーリーを否定しない内容であれば、BTCはレンジの上限をクリアに上抜ける可能性がある。逆に、市場の見方を覆すような強い内容であれば売られる可能性もあるが、その場合でも、14日のCPIを見てみようという流れになり、レンジの下限は守られるのではないか。基本的に利上げはインフレ次第、利下げは雇用次第、というイメージだ。

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※この記事は「楽天ウォレット」のデイリーレポートを転載したものです。
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