韓国金融委員会(FSC)は8月11日、暗号資産(仮想通貨)送金に関するマネーロンダリング対策を強化する「特定金融取引情報の報告および利用等に関する法律」の施行令改正案が閣議決定されたと発表した。
韓国内の届け出済み暗号資産事業者間では、トラベルルールの対象となる「100万ウォン以上」という基準を撤廃し、金額を問わずすべての送金に適用する。
トラベルルールは、暗号資産を送金する際に、送付元と受取先に関する情報を事業者間で共有する仕組みだ。
韓国ではこれまで100万ウォン以上の送金が対象だったが、改正後は100万ウォン未満の少額送金についても情報共有が必要になる。
また、受取側の事業者にも情報を確保する義務を課し、必要な情報が得られない場合には送付元への情報提供要請や取引拒否などを求めるという。
背景には、規制対象額を下回るよう送金を分割し、トラベルルールを回避する動きへの警戒がある。
FSCが3月に公表した資料によると、2025年下期に韓国の暗号資産事業者間で行われた送金のうち、件数ベースで60%が100万ウォン未満だった。
海外の暗号資産取引所や個人ウォレットとの送金についても規制を強化する。
低リスクと判断された海外取引所との取引は認める一方、それ以外の海外取引所や個人ウォレットについては原則として送付人と受取人が同一の場合に限定し、高リスクと判断された相手との取引は禁止する。
さらに、海外取引所や個人ウォレットとの1000万ウォン以上の送金については、事業者に独自の疑わしい取引管理体制の構築・運用を求めるという。
FSCは、海外取引所や個人ウォレットを経由した資金洗浄が疑われる取引が増えているとしており、今回の改正によって暗号資産送金の透明性を高める考えだ。
トラベルルールの全送金への拡大を含むマネーロンダリング対策は、施行令の公布から6カ月後に施行される予定となっている。
|文:平木 昌宏
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