暗号資産(仮想通貨)専業11年目の墨汁うまい(@bokujyuumai)です。2026年内にイーサリアム(ETH)やビットコイン(BTC)が高騰するための必須条件といえる米国のクラリティ法の可決は、暗号資産推進派のトランプ大統領が米上院議員と可決へ向けて協議を行ったと報道がありました。
本稿ではクラリティ法の現状と年末に向けての暗号資産相場の影響についてわかりやすく解説を行います。
クラリティ法成立へ向け、トランプ大統領が米上院議員と水面下で協議
米国の暗号資産規制を大きく変える「クラリティ法」が、いよいよ重要な局面を迎えています。米コインデスクの報道によると、トランプ大統領とホワイトハウス高官がクラリティ法案の可決に向けて米上院議員と協議を行ったとされています。
ここで焦点となっているのは、トランプコインとして話題となった$TRUMPのように米大統領や政府高官による暗号資産ビジネスへの関与をどこまで制限するのかという倫理条項です。上院で法案を通すには民主党の協力が欠かせないため、トランプ政権がどのような妥協案を示すのかが最大のポイントとなるわけです。この協議がクラリティ法の成立と暗号資産市場にどのような影響を与えるのかを見ていきましょう。
クラリティ法の争点「倫理条項」
クラリティ法可決を求めているのは暗号資産推進派として2024年11月に大統領選を勝ち取ったドナルド・トランプ大統領であるわけですが、大統領就任式の前にローンチしたいわゆる「トランプコイン(Official Trump: $TRUMP)」やトランプファミリーによるイーサリアム上のDeFiプロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial: $WLFI)」などの暗号資産ビジネスが可決を阻む要因になっています。
この点に対して米野党・民主党内にもクラリティ法の必要性を理解する議員はいる一方、
「規制を作る側が利益を得る可能性があり、制度そのものの信頼性問題がある」
とし、いわゆる利益相反ではないかという問題点を挙げているわけです。トランプ政権は共和党であり、クラリティ法可決のために上院で60票規模の支持が必要である一方、民主党の支持を得なければならないというハードルがあります。したがって今回の非公開協議では政府高官や場合によっては家族を含めトランプファミリーのような政府高官・家族による暗号資産ビジネスを制限する倫理条項が交渉のカードとなっているのです。
民主党のルーベン・ガレゴ(Ruben Gallego)上院議員やアンジェラ・アルソブルックス(Angela Alsobrooks)上院議員も、倫理条項なしでは最終可決を支持しない立場を示していると報じられています。
トランプ大統領は最大の譲歩で民主党へプッシュ
コインデスクの報道によると、ホワイトハウス側は、トランプ大統領が大統領自身を含む政府高官への包括的な倫理条項を受け入れたと説明し、民主党に支持を求めているとされています。
その後、上院共和党はクラリティ法の最新版テキストを公表しており、倫理条項には大統領、副大統領、議員、連邦判事などの公職者とその配偶者が、在任中にデジタル資産を発行またはスポンサーすることを制限する内容が盛り込まれました。一方で、この倫理条項の執行権限は州司法長官ではなく、米司法長官、すなわち連邦司法省が担う設計とされています。民主党側は、州司法長官にも執行権限を認めるべきだと主張しており、司法省中心の執行では不十分だとして反発しています。
すなわち民主党としては、暗号資産発行を制限する倫理条項そのものには一定の前進がある一方、その執行をトランプ政権の指揮系統に近い司法省へ委ねる設計を妥協案として受け入れられるのかが焦点ということになるでしょう。
クラリティ法のデッドライン
現状クラリティ法を年内可決のデッドラインと考えると、大きな山場はトランプ大統領が交渉を行った上院本会議で60票規模の支持を確保、上院版を通して下院と最終調整することが最も大きな課題となっているわけです。
これは議会の残された日程と2026年11月の「中間選挙」という政治日程が、法案可決の最大の制約になっているのです。
まず最初の山場は、2026年7月下旬から8月7日です。上院ではトランプ大統領の交渉により7月下旬にも統合版のクラリティ法を本会議へ進める可能性があり、現時点でホワイトハウスが民主党へ強く支持を求めているのも、この時期を逃すと年内可決の難易度が一気に上がるためです。
米上院は2026年8月10日から9月11日まで州作業期間、つまり実質的な夏季休会に入る予定です。そのため、8月上旬までに上院本会議での採決に持ち込めるかが、年内可決に向けた最初の大きな締切となります。仮にこのタイミングで上院を通過できれば、その後は下院との最終調整と大統領署名に進むことができ、年内成立の現実味は大きく高まるでしょう。
ビットコインの相場影響
では最後にビットコインの相場影響について見ていきましょう。現在は2025年10月の米中貿易戦争の再燃からレアアース規制を起点にビットコインは史上最高値から一時50%以上の下落を記録、長期下落トレンドを継続している状態です。
ここにイラン情勢の緊張緩和で回復傾向である一方、未だに長期下落トレンドから抜け出せていないものの、ビットコインはトレンド転換か下落トレンド継続かの瀬戸際になっている状態です。
ここでクラリティ法というファンダメンタルの後押しがあれば、これまで売り込まれた分、上値が軽く年末にかけて最高値にアプローチしていく余地があるのです。

すなわち現在はテクニカル上の大底となる可能性があり、ここを後押しするのはクラリティ法の可決であるということです。トランプ大統領は11月中間選挙での共和党議席をなんとしても死守したいと考え、実際に民主党上院議員との協議、譲歩を行っていることを考慮すると、夏休み前に可決まで持っていき、中間選挙で共和党議席を確保し、その後の政権運営や共和党の次期大統領選戦略にも弾みをつけたい思惑があると考えられるでしょう。
ゆえにビットコインだけでなく、暗号資産全体にとって最重要ファンダメンタルであり、その動向に注視する必要があります。


