●CryptoQuantによると、イーサリアム(ETH)はオンチェーン上の平均取得価格(Realized Price)を下回る水準で推移しており、歴史的には割安圏に入っている可能性がある。
●ETH/BTCを比較する5つのオンチェーン指標では、すでに2つが過去の底値圏と同等の水準に達し、残る3つも改善傾向を示している。
●エックスウィンでは、ETHは中長期的な投資妙味が高まりつつあると考える一方、ビットコインを本格的にアウトパフォームするには、あと一段の改善が必要な局面とみている。
ETH/BTCは約1年間下落──市場は「ETH離れ」が続いてきた
2025年夏以降、暗号資産市場ではビットコインが市場を牽引する展開が続いてきた。
ETFへの資金流入や企業によるビットコイン保有の拡大、各国で進む制度整備などを背景に、資金はビットコインへ集中し、ETH/BTCは約0.048付近から現在は約0.028付近まで下落している。
つまり、イーサリアムは約1年間にわたりビットコインを大きくアンダーパフォームしてきたことになる。
しかし、市場では「ここまで売られたETHは、そろそろ底値圏なのではないか」という見方も徐々に増えてきている。
そこでCryptoQuantは、
「イーサリアムは本当に底値圏に近づいているのか」
というテーマについて、複数のオンチェーンデータから検証を行った。
CryptoQuantによると、ETHはすでに”割安圏”へ入っている
最初に確認されたのは、イーサリアム単体の価値である。
CryptoQuantでは、「Realized Price(実現価格)」というオンチェーン指標を利用している。
これは、市場参加者全体の平均取得価格を示すものであり、多くの投資家が利益を出しているのか、それとも含み損を抱えているのかを把握できる代表的な指標である。
現在のETH価格は約1,900ドル前後。
一方、Realized Priceは約2,300ドルとなっており、市場価格は平均取得価格を約17%下回っている。
過去を振り返ると、このように価格がRealized Priceを下回る局面では、市場全体が悲観に傾き、多くの投資家が含み損を抱えていた。
しかし、そのような局面こそ売り圧力が徐々に弱まり、中長期的な底値形成へ向かうケースが何度も確認されている。
もちろん、この指標だけで底打ちを判断することはできない。
そこで重要になるのが、「ビットコインと比較したときのETHの強さ」である。
ETH/BTCの5つの指標から見る現在地
CryptoQuantでは、ETHがビットコインに対してどの程度魅力的なのかを、以下の5つの指標で分析している。
・ETH/BTC現物取引高比率
・ETH価格とRealized Price
・ETH/BTC MVRV比率(割安・割高)
・ETH/BTC取引所流入比率(売り圧力)
・ETH/BTC ETF保有比率(機関投資家需要)
現在の評価を整理すると、
現物取引高はすでに底値圏

ETH/BTCの現物取引高比率は約0.5まで低下している。
これは2020年、2023年、2025年初頭など、過去にETH/BTCが底を付けた局面とほぼ同じ水準である。
市場参加者の関心は極端に低下しているが、歴史的にはこうした低迷期の後に資金が戻るケースも少なくない。
ETH価格は平均取得価格を下回る

Realized Priceを下回る状態も、歴史的には割安圏を示す代表的なシグナルである。
現在は市場参加者の平均取得価格よりも安く取引されており、中長期的にはリスクよりリターンが期待しやすい局面に入りつつある。
まだ改善途中の指標もある
一方で、本格的な底打ちを確認するには、まだ改善途中のデータも存在する。
MVRVは中立まで改善
ETH/BTC MVRV比率は2025年8月には約0.95まで上昇し、大きく割高な状態だった。
現在は約0.65まで低下し、過熱感はかなり解消されている。
しかし、過去の大底では0.45付近まで低下していたため、あと一段の調整余地も考えられる。
売り圧力は半減
ETH/BTC取引所流入比率も2025年には1.5を超え、大量のETHが取引所へ送られていた。
現在は約0.8まで低下し、売り圧力は大きく減少している。
ただし、過去の底値では0.4付近まで低下していたことから、こちらも「改善はしているが底打ち確認には至っていない」という評価である。
ETF需要にも変化
興味深いのは機関投資家の動きである。
ETH/BTC ETF保有比率は約1年間低下が続いていたが、2026年6月後半以降、初めて上向きへ転じた。
大きな変化ではないものの、機関投資家が再びイーサリアムへの配分を少しずつ増やし始めている可能性を示している。
エックスウィンとしては
今回のCryptoQuantレポートで最も重要なのは、「ETHは安いかどうか」ではなく、「底値形成のプロセスが着実に進んでいること」をデータが示している点である。
5つの主要指標のうち2つはすでに過去の底値圏に到達し、残る3つも改善方向へ向かっている。
これは市場心理で言えば、「悲観一色」から「徐々に売りが枯れ始める段階」へ移行している可能性を意味する。
一方で、過去の強いアルトシーズンでは、ETH/BTCのMVRVや取引所流入比率がさらに低下し、その後に大きな資金流入が始まるケースが多かった。
そのため、現時点では「ETHは魅力的な価格帯へ近づいている」と考えられるものの、「ETHがビットコインを本格的にアウトパフォームする」と断定するには、あと一歩データの裏付けが必要だろう。
エックスウィンでは、今後も価格だけではなく、オンチェーンデータ、機関投資家の資金フロー、ETF動向などを総合的に分析しながら、市場サイクルの転換点を継続的に検証していきたい。
ショート動画
イーサリアムは底打ち間近?CryptoQuantが示したシグナル
https://youtube.com/shorts/PTEvU2S5S7k


