・CoinSharesは、欧州初となるビットコインマイニング企業特化型のUCITS ETFを上場した。投資家はドイツ取引所のXetraを通じて、上場マイニング企業に規制された金融商品として投資できる。
・欧州では現在、ビットコイン(BTC)を財務資産として保有する上場企業が41社に達し、合計で約1万7000BTCを保有している。現物ビットコインETFにとどまらず、上場企業にもBTC採用が広がっていることを示している。
・CryptoQuantのデータによると、マイナーのBTC保有量は6月初めに一時増加したものの、7月22日までに再び減少した。BTC価格が回復するなかでも、マイニング企業への財務面の圧力が続いていることが浮き彫りとなった。
CoinShares、欧州投資家に規制下でビットコインマイニング企業へ投資する手段を提供
CoinSharesは、上場ビットコインマイニング企業を投資対象とする、同社初の譲渡可能証券への集団投資事業(UCITS)準拠の上場投資信託(ETF)を立ち上げ、欧州におけるデジタル資産投資商品のラインアップを拡充した。
CoinShares Bitcoin Mining UCITS ETFは、ティッカーシンボル「MINE」で、火曜日にドイツ取引所のXetraで取引を開始した。
アイルランド籍の同ファンドは、Solactive AGが管理するルールベースの指数「CoinShares Bitcoin Mining Index」への連動を現物複製方式で目指す。同指数は、上場ビットコインマイニング企業で構成されている。

UCITSは、欧州連合(EU)が定める投資ファンドの規制枠組みだ。分散投資、レバレッジ、流動性、情報開示、リスク管理に関する厳格な規則を通じて、個人投資家を保護することを目的としている。
UCITSファンドには、主に流動性の高い資産へ投資することも求められる。本ETFの投資口は、Xetraの取引日に市場で売買できる。さらに、標準化された開示書類を提供することで、投資商品の透明性と比較可能性を高めている。
Deutsche Börse Xetraのデータによると、CoinSharesのMINE ETFは火曜日の取引終了時点で、1口当たり20.11ユーロ(3,741.63円)で取引され、売買高は3,218口だった。
CoinSharesによると、同ETFの総経費率は0.65%で、投資対象となるマイニング企業へのエクスポージャーを維持するため、四半期ごとにリバランスを行う。
EU加盟国の一つで承認されたUCITSファンドは、単一の規制パスポートを利用してEU域内全体で販売できる。このため、UCITSは欧州で最も広く認知されている投資商品の仕組みの一つとなっている。
今回の商品は、CoinSharesが欧州で初めて提供するビットコインマイニング企業特化型のUCITS商品となる。同社は米国でも、同様の戦略を採用した「WGMI Bitcoin Mining ETF」を展開しており、同ETFの運用資産額は7月16日時点で約2億2150万ドルとなっている。
マイナーが再び売却に転じる一方、欧州ではETF以外にも機関投資家によるBTC採用が拡大
CoinSharesのMINEは、MiCAに基づく移行期間がEU全域で7月1日に終了してから約3週間後に上場した。なお、同ETFは暗号資産そのものではなく、上場ビットコインマイニング企業の株式に投資するUCITS商品である。
BitcoinTreasuries.netによると、欧州では現在、BTCを財務資産として保有する上場企業が41社あり、合計保有量は1万6987BTCに達している。現在の市場価格では、約11億3000万ドルに相当する。
BTCは、欧州の上場企業が公表しているデジタル資産保有額の94.4%を占めている。一方、イーサリアム(ETH)の割合は4.9%で、ソラナ、BNB、XRPの合計は1%未満にとどまっている。

一方、ビットコインマイナーは、市場環境の変化に対応するため、引き続き財務内容を調整している。
2026年上半期の大半を通じて、多くのマイニング企業は、人工知能(AI)関連インフラへの投資資金を確保するため、保有するBTCを売却していた。
6月には、ビットコインETFへの資金流入が回復したことを受け、マイナーは一時的にBTC保有量を積み増す動きに転じた。
CryptoQuantのデータによると、マイナーが保有するBTC残高は、5月31日の119万1872BTCから、6月3日には119万4144BTCへ増加した。増加量は2272BTCで、現在の価格では約1億5000万ドルに相当する。

しかし、その後この傾向は反転した。マイナーの保有量は7月22日までに、約119万1168BTCへ減少している。
これは、BTC価格が数週間ぶりの高値となる6万7000ドル付近まで回復するなか、マイニング企業が2,976BTC、約2億ドル相当を市場で売却した可能性を示している。
BTC価格の上昇はマイニング事業の利益率を改善させる一方、多くの企業は、データセンターの拡張やAIインフラへの投資、債務返済に引き続き資金を振り向けている。このため、長期保有するBTCを再び積み増す余力は限られている。


