ブロックチェーン分析企業のTRM Labs(ティーアールエム・ラボ)は10月29日、暗号資産(仮想通貨)取引所Binance(バイナンス)の資産流出に関する分析を公表した。流出の大半は約20分間に集中していたという。
同社は、送金の承認に使う電子署名を生成するバイナンスのシステムが侵害された可能性が最も高いとみている。仕組みの異なる複数のブロックチェーンで、送金に必要な有効な署名が短時間に使われていたと説明した。
電子署名は、資金を動かす権限があることを確認するために使われる。

実際、イーサリアム上では、攻撃者が事前に取得した電子署名を使い、ウォレットの設定を書き換えた。その後に入金された資金も、繰り返し抜き取られたという。
ほかのブロックチェーンでは、ウォレットの設定変更を伴わない不正送金が確認された。これらの送金にも、有効な電子署名が使われていたという。このため同社は、複数チェーンの送金を承認する仕組みが侵害された可能性が高いと分析している。
被害は10のブロックチェーンに及んだ。同社は、北朝鮮のハッカー集団による犯行と高い確度で判断している。
同社は被害の拡大を防ぐため、送金の承認経路をブロックチェーンごとに分けるよう提言した。
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|文:平木 昌宏
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