米商品先物取引委員会(CFTC)のMichael Selig(マイケル・セリグ)委員長は、暗号資産(仮想通貨)取引所が任意でCFTCに登録できる連邦制度の必要性を改めて強調した。10月30日のCNBCのインタビューで、Binance(バイナンス)の資金流出を受けて述べた。
バイナンスをめぐっては、ハッキングによる被害総額を約63億ドル(約9954億円、1ドル=158円)と推計し、損失を全額補償する方針を示している。セリグ委員長は、こうした被害を背景に、取引所の安全対策を強化する考えを説明した。
インタビューでは、業界の成熟や規制の進展にもかかわらず、なぜ巨額の流出が起きるのか、規制に穴があるのかと問われた。セリグ委員長は、規制されていない海外取引所では、米金融市場と同様の安全対策が取られていないと指摘。海外取引所にもCFTCに登録する選択肢を設け、同様のサイバーセキュリティ対策を求めたいと述べた。
CFTCは10月5日、個人向けのレバレッジ取引などを含む暗号資産取引と、それを扱う市場の規制枠組みについて、意見を募る事前通知を公表した。制度は現時点では検討段階にある。
攻撃対象について、セリグ委員長は、暗号資産分野のサイバー被害の多くが、ブロックチェーン自体ではなく、周辺のシステムを狙ったものだと説明した。今回もノートパソコンに由来する脆弱性が悪用された可能性に言及し、こうした問題は従来の金融市場でも起こり得ると述べた。
一方、暗号資産は素早く移動でき、資金の出所や移動先を分かりにくくする「ミキサー」なども使われると指摘した。ただ、こうした技術が使われても、ブロックチェーン上の取引記録をたどることで資金の流れを追跡でき、当局の調査や監視に役立つとの見方を示した。
【次に読む】
» バイナンス、ハッキング被害額を約1兆円と発表
» バイナンスの1兆円流出は「北朝鮮ハッカー集団の犯行」=TRM
» コインベース、バイナンスに支援申し出──CEOが業界に協力要請
|文:平木 昌宏
|画像:Adobe Stock


