ポイント
●7.6万ドル台まで急落
●インテル好決算も来期見通し低く大幅安
●米攻撃再開懸念で原油高
●Binanceで史上最大63億ドルのハッキング被害
昨日のBTC市場
昨日のBTC市場は下落。
8.2万ドル(約1,290万円)手前で上値を重くすると、今朝方7.6万ドル(約1,195万円)台まで急落した。
BTCは8.7万ドルでピークアウトすると下降チャネルを形成。META決算を契機にAI半導体株が失速する中、レンジの下限をトライするも、週末に7.9万ドル台前半でサポートされると、8万ドルを挟んでのもみ合いが続いた。
月曜日に公表されたAnthropicの決算内容が非常に強かったこと、Broadcomの630億ドルの巨額調達や、SKハイニックスの好決算などが好感され、AI半導体株の下落は一服。昨日早朝のFOMCで利上げがスキップされると、BTCは8.1万ドル台に強含んだ。
しかしグーグルが増収増益ながらわずかに売上が予想を下回ると同社株が失速、さらにサムスン電子の最終利益が前年比では非常に強いものの事前予想を下回ったことから失速すると、リスクオフの流れの中で、BTCは8万ドル割れに失速した。
その後、しばらく8万ドルを挟んでのもみ合い推移を続けたが、海外時間に入り和平交渉再開に向けたバンス副大統領からの書簡を受け取ったとイランメディアが発表すると原油価格が下落、BTCは8.2万ドル近くまで上昇した。
しかし今朝方発表されたアマゾンの決算で売上が予想をやや下回り、インテルの決算で第4四半期の見通しが予想を下回ったことから時間外で株価が下落、BTCは8万ドル近くに値を落とした。
するとBinanceで大規模なハッキングが発生、入出金を停止すると、BTCは7.8万ドル近辺に急落。いったんは下降チャネルの下限でなんとかサポートされたが、その後、被害規模が50億ドルを超える史上最大の被害(公式から推定63億ドルとの発表あり)だったという情報が広がる中、BTCは7.8万ドルを割り込んだ。
さらにハイテク企業決算を受けて日韓株も大きく値を下げ、さらに原油価格が急騰すると、BTCは一時7.6万ドル台まで値を下げ、足元ではWTIが105ドル手前で跳ね返されると、7.7万ドル台に値を戻している。
本日のBTC市場
本日のBTC市場は底値を固める展開を予想する。

BTCは下降チャネルの下限付近で下げ渋っていたが、結局、下抜けて7.6万ドル台まで値を下げた。次の目途は8月からの上昇の半値押しと9月の安値が重なる7.5万ドルとなる。
ハイテク決算の不振、原油高、Binanceのハッキングと悪材料が3つ重なった格好だ。
インテルの決算は売上・利益ともに予想を上回ったが、第4四半期の売上見通しが150~160億ドルと、予想の171億ドルを下回ったことが嫌気され、時間外で株価は2割下落した。これは同社株が6月に142ドルでピークをつけるまで1年間で7倍になったことの反落が原因と思われる。時間外で70ドルとほぼ半分になったが、それはその前の上昇が急すぎたからだろう。アマゾンもインテルも業績自体は悪くなく、こうした調整はいずれ落ち着くと考える。
イランを巡る駆け引きが佳境を迎えてきた。バンス副大統領が交渉再開を模索する中、軍関係者が大統領にイラン再攻撃案を説明するなど緊張感が増してきた。交渉を実効性あるものとするために牽制を強めているという見方もあるが、選挙が終われば攻撃が始まり、イランも報復に出て混乱が広がる可能性も否定できない。
そうした中、Binanceのハッキング被害が市場を震撼させた。このところ取引所のハッキングの被害者はあくまで取引所で、ユーザーが預けた資産を返してもらう権利は影響を受けないという認識が広がり、市場もあまり反応しなくなっていた。よく「補償」という言葉が使われるが、償還するのは当たり前だ。ただし、被害が大きすぎて取引所が破綻した場合はその限りではない。今回はまずは50億ドル超とされるその被害の大きさが市場にショックを与えた。
問題は、Binanceはタックスヘブンなどに本拠を移しG20やFATFなどの規制を逃れる典型的な海外取引所で、同社の場合は本拠地さえ明らかにしておらず実態が見えないことだ。本当に償還は可能なのか、仮に破綻するとしてもどういう法的手続きで分配が得られるのかすらわからない。海外取引所の問題点があらわになった形だ。全容が明らかになるまでもう少し尾を引きそうだ。
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※この記事は「楽天ウォレット」のデイリーレポートを転載したものです。
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