韓国大統領府は、2027年1月1日に予定する暗号資産(仮想通貨)所得への課税を再延期する方針を固めたという。ソウル経済新聞が10月25日、大統領府関係者の話として報じた。
韓国が予定する暗号資産課税は、売却や貸し出しで得た年間所得のうち、基礎控除の250万ウォン(約29万6000円、1ウォン=0.1184円)を超える部分に、所得税と地方所得税を合わせて22%の税率を適用する制度だ。
一方、海外取引所での取引を把握する体制が十分に整っておらず、国内取引所の利用者に税負担が偏る懸念があるという。同紙は、こうした課題が再延期の背景にあると伝えている。
こうした情報把握の課題に関わるのが、各国の税務当局が暗号資産の取引情報を共有する「暗号資産等報告枠組み(CARF)」だ。
暗号資産事業者から利用者の居住地や取引情報を集め、国境を越えて交換することで、海外取引の申告漏れなどを把握しやすくする仕組みとなっている。
同紙によると、大統領府は、取引市場が大きい米国のCARFへの参加が2029年からとなる点を判断材料にしたという。米国との情報共有が始まる前に課税を導入した場合、国内外の取引を公平に把握することが難しいとの懸念がある。
与党内では、課税開始を2029年に延期する法案が提出されているという。大統領府は10月の国政監査終了後に政府・与党の協議を開き、最終的な結論を出す見通しだ。野党「国民の力」も延期を主張しており、同紙は11月の税法審議で法改正が行われる可能性があると伝えている。
韓国は2020年の所得税法改正で暗号資産所得への課税制度を設けたが、これまでに実施を3度延期している。今回も延期されれば4度目となる。
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|文:平木 昌宏
|画像:Adobe Stock


