●米中間選挙後12カ月のS&P500は、1950年以降の19回すべてで上昇してきた。ただし、これは途中の下落や今回の例外を否定するものではない。
●ビットコインにも政治的不確実性の後退は追い風になり得るが、上昇の持続性を左右するのは、金利、規制の進展、現物資金の流入である。
11月3日の米中間選挙を前に、注目したいのが、選挙後の米国株の強さだ。過去の傾向は、ビットコインにも期待を持たせる。ただし、株式の季節性を、そのまま暗号資産の上昇シナリオに置き換えることはできない。
S&P500が強かった「選挙後12カ月」

1950~2022年の中間選挙19回では、S&P500は選挙後12カ月でいずれも上昇した。Capital Groupの集計では、平均上昇率は15.4%。大統領任期3年目も、歴史的に平均リターンの高い年だった。
ただし、「選挙日から12カ月」と「翌年1~12月」は別の期間である。今回なら、前者は2026年11月から2027年11月ごろ、後者は2027年の暦年を指す。
背景の一つとして考えられるのが、政治的不確実性の低下だ。政策の先行きが読めないと、投資家は追加のリスクを引き受ける見返りを求める。このリスクプレミアムが縮小すれば、資産価格を支える方向に働く。政治リスクが資産価格に織り込まれるという説明には、学術研究の裏付けもある。
もっとも、19回の上昇をすべて選挙の効果で説明することはできない。景気、企業業績、金融政策も同時に変化している。
BTCは12カ月後に上昇しても、途中で急落した
ビットコインについて、比較できる2014・2018・2022年を確認すると、選挙から12カ月後の価格は3回とも上昇していた。一方、短期の値動きは大きく異なる。
2018年には、選挙後1カ月で約45%下落した。2022年には、選挙の3日後にFTXが破綻している。「1年後は上昇した」という数字は、途中の損失を隠してしまう。
観測は3回にとどまり、BTC固有の市場サイクルとも重なる。翌年の回復が、選挙によって生じたと判断するには不十分だ。
価格上昇とネットワーク利用は一致しない
S&P500の長期チャートでは、2019年や2023年の回復を確認できる。一方、CryptoQuantのBTCチャートでは、価格とアクティブアドレス数の動きが必ずしも一致していない。近年は、価格が高い水準を維持する一方、アドレス数が減少する局面も見られる。

アクティブアドレス数は、一定期間に送受信したアドレスの数であり、利用者や買い手の人数そのものではない。ETF経由の需要を直接測る指標でもないため、増減だけで買い需要の強弱を判断することは難しい。
選挙後の価格上昇を確認するときも、現物ETF、取引所での買い、オンチェーンの資金移動を合わせて見る必要がある。
今回は長期金利と規制の進展が分岐点
政治的な安心感が広がっても、金利の負担が残る可能性がある。米財務省によると、10月2日の米10年国債利回りは5.28%だった。IMFの研究も、米金融引き締めが投資家のリスク許容度を通じ、暗号資産価格を押し下げると分析している。
財政拡張への期待が国債増発やインフレへの懸念を強めれば、選挙後も長期金利が上昇する場合がある。また、米国株が一部のAI関連企業の成長によって上がる局面では、BTCにも同じ買いが入るとは限らない。
規制面も重要だ。9月15日、CLARITY法案の審議入りに向けた討論終結動議は、賛成49・反対50で必要な60票に届かなかった。これは最終的な法案成立を決める採決ではないが、制度整備の難しさを示した。
議会の分裂が財政拡張を抑えるなら金利面では支援材料になり得る一方、暗号資産法制の整備を遅らせるなら規制面の不透明感は残る。BTCでは、結果の確定と、その後の政策内容を分けて評価したい。
選挙後の期待を支える「買い手」を確認する
実際の需要は、選挙前から動いている。Farsideのデータを合計すると、9月28日~10月2日の米現物BTC ETFは、約2億4,110万ドルの純流入だった。ただし、日ごとには流出もあり、買いの継続性が重要になる。f
現時点で、中間選挙がBTCの上値をどの程度抑えているかは断定できない。選挙通過は環境改善のきっかけになり得るが、上昇を持続させるには、それを支える資金が必要だ。
選挙後は、結果が円滑に確定したか、長期・実質金利が安定したか、現物の買いが続いているかを確認する。過去の傾向を期待の材料としながらも、上昇と下落の双方に対応できる余地を残しておきたい。
ショート動画
中間選挙後は19回すべて上昇!ビットコインも続く?
https://youtube.com/shorts/-RGDWDX0Wpw
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