Tether(テザー)が支援するUtexoが、米ドル連動型ステーブルコイン「USDT」を10月中にビットコインネットワーク上で発行する計画だ。CoinDeskが10月2日報じた。同社の共同創業者は同メディアに、USDTの発行とテザーの商標使用に関する商用ライセンスを取得したと説明した。
USDTは、2014年にビットコイン上で誕生したステーブルコインだ。その後、主な流通基盤はイーサリアムやトロンへ移った。今回の計画は、10年以上を経てビットコイン上での利用を再び広げる取り組みとなる。
報道によると、Utexoは取引の詳細を公開せずにUSDTを送金できる仕組みを整える。ビットコイン(BTC)とUSDTの直接交換や、ビットコインを担保とする融資にも対応する計画だ。取引所やウォレット、決済事業者が、ビットコイン上のUSDTを扱えるようにする。
この仕組みを支えるのが、ビットコイン上で資産を扱う技術「RGB」だ。RGBでは、取引の詳細を公開台帳に載せず、送受信する当事者が確認する。
ビットコインの台帳は、誰が資産を所有しているかを暗号技術で証明するために使う。残高の変化や取引内容を公開台帳に記録するイーサリアムやトロンとは、情報の扱い方が異なる。
CoinDeskによると、Utexoはこの技術を使い、取引所を経由せずにビットコインとUSDTを交換できるようにする。融資では、ビットコインを別のブロックチェーン上の代替トークンに置き換えず、そのまま担保として使える仕組みを目指しているという。
一方、不正利用への対応方法は、イーサリアム上のUSDTとは異なる。共同創業者はCoinDeskに、同じ方法で資産を凍結することは技術的にできないと説明した。そのため、制裁対象や違法行為に関連する資産をブラックリストに登録し、取引所などに情報を共有する方針だ。
Utexoの共同創業者によると、ブラックリストに登録された資産は、イーサリアムやトロンへUSDTを引き出すことができなくなる。資産を凍結する代わりに、他のネットワークへ移す経路で利用を制限する対応となる。
発行後は、ライトニングネットワークへの対応を進める計画だという。
【次に読む】
» Tether、Ark Labsに戦略投資──ビットコイン上でのステーブルコイン基盤強化へ
» Tether、セルフカストディ型ウォレット「tether.wallet」をローンチ
» ビットコイン担保ローン、88%が利用検討も実利用は14%──市場規模は最大1兆ドル規模と予測
|文:平木 昌宏
|画像:Shutterstock


