・米ドル高と原油価格の上昇が暗号資産市場全体の重荷となるなかでも、イーサリアム(ETH)は1,860ドル付近の支持線を維持した。
・Polymarketのトレーダーの間では、ETHが1,700ドルを下回るほど大きく反落するのではなく、1,800~2,000ドルの範囲で推移するとの見方が強まっている。
・Robinhood Chainの利用拡大が続き、ステーブルコイン供給量は4億ドルを突破。日次ネットワーク収益は、ローンチ後最高となる37万6000ドルを記録した。
ETHは1,860ドル付近を維持、7月28~29日のFOMC会合を前に予測市場はもみ合いを見込む
ETHは7月24日(金)、投機的な需要に支えられ、1,860ドル付近で下げ止まった。米ドル高と原油価格の上昇が再び進むなかでも、ビットコイン(BTC)を上回る値動きを示した。
TradingViewによると、BTCが週初の水準を下回って取引を終えた一方、ETH/BTC比率は週間で0.35%上昇した。これにより、ETHはBTCに対して4週連続で上昇する見通しとなった。

マクロ経済面の圧力が強まり、ETHが週間高値の約1,955ドルから下落したことを踏まえると、今回の底堅さは注目に値する。
原油価格は再び1バレル=100ドルを上回り、米ドルも主要通貨に対して幅広く上昇した。これを受け、市場ではリスクに敏感な取引からディフェンシブ資産へ資金を移す動きが広がった。

こうした逆風にもかかわらず、予測市場のポジションを見る限り、トレーダーはまだ大幅な下落に備えているわけではないようだ。
Polymarketで、7月中にETHが各価格水準へ到達するかを対象とした市場を見ると、ETHが2,000ドルに到達する確率は12ポイント上昇して24%となった。賭け金は約34万5,000ドルに上る。
一方、ETHが1,800ドルを下回る確率は7ポイントの上昇にとどまり、取引額約5万6,000ドルに対して57%となった。最も大きく変動したのは1,700ドル割れに関する契約で、市場が織り込む確率は55ポイント低下し、16%まで落ち込んだ。
つまり市場は、1,700ドルに向けてさらに大きく下落する可能性よりも、2,000ドルに向けて反発する可能性の方を高く見積もっている。
確率分布が示す最も可能性の高い短期的な展開は、明確なトレンド転換ではなく、1,800~2,000ドルの範囲でのもみ合いだ。
1,800ドルに関する契約で高い確率が示されている背景には、7月29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合を前にしたヘッジ需要があるとみられる。トレーダーの間では、急騰した原油価格を巡るインフレの不確実性によって、米連邦準備制度理事会(FRB)が予想より早くタカ派姿勢へ傾く可能性への警戒が強まっている。
Robinhood Chainの利用が拡大、ミームコイン発行基盤の活発化でネットワーク収益が増加
ETHの相対的な強さは、レイヤー2エコシステムの継続的な成長にも支えられている。特に存在感を高めているのがRobinhood Chainだ。
Artemisのデータによると、同ネットワーク上のステーブルコイン供給量は24日(金)に4億ドルを突破した。1日当たりの平均アクティブユーザー数も約30万人を維持している。
ネットワーク収益は7月23日に37万6000ドルまで増加し、月初のローンチ以降で最高の日次収益を記録した。

この増加の一部は、Robinhood Chain上に構築されたトークン発行プラットフォーム「Memecoin.fun」を巡る活動の拡大によるものとされる。
同プラットフォームは24日(金)、Becker Venturesが主導する350万ドルの戦略的資金調達ラウンドを発表した。BitValue Capital、Mason Labs、Negentropy Capital、エンジェル投資家のBilly Wen氏も参加した。
発表によると、調達資金はトークン発行基盤の拡充、クロスチェーンブリッジ機能の改善、複数のブロックチェーンエコシステムにまたがるトークンを接続する「全チェーン対応型ミーム資産プラットフォーム」の開発加速に充てられる。
Memecoin.funは、Robinhood Chain上でプロジェクトを立ち上げるためのトークン発行・展開ツールを提供している。また、異なるネットワーク間でミーム資産を作成、移転する手続きを簡素化することを目指している。
今回の資金調達は、Robinhood Chain上で形成されつつあるアプリケーション層に対し、開発者や投資家の関心が高まっていることを示している。
ETH価格予測:MACDの強気クロスとブレイクアウト確率が1,900ドルへの反発予想を後押し
テクニカル面では、週後半に値下がりしたものの、ETHは中期的な回復基調を維持している。
週足チャートでは6月中旬以降、安値を切り上げる動きが続いている。これは、買い手が段階的に切り上がる支持線を維持していることを示す。
週末に向けて注目すべき重要な上方ブレイク領域は、1,955~2,000ドルだ。
主な強気シグナルは、短期と長期の移動平均線を比較するモメンタム指標「MACD(移動平均収束拡散法)」から示されている。
ETH/USDの週足チャートでは、MACDラインがシグナルラインを上抜けた。ヒストグラムもプラス圏を維持しており、価格がもみ合うなかでも上昇の勢いが依然として優勢であることを示している。

さらに、チャート上のブレイクアウト確率モデルは、上方への値動きが継続する確率を65.9%、下方へブレイクする確率を27.2%としている。
この強気傾向は、2,000ドルへの回復確率が上昇している予測市場のデータとも一致する。
ETHが直近の週間高値である約1,955ドルを再び上回れば、次の心理的な目標は2,000ドルとなる。その先には、4月の回復局面で売り圧力が強まった2,080~2,120ドルの抵抗帯が控えている。
下値では、1,780ドルが当面注目すべき支持線となる。
ETHの終値が1,780~1,800ドルの支持帯を複数回連続して下回った場合、強気シナリオが崩れる可能性がある。この領域は直近のもみ合いレンジの中間地点であり、現在続いている安値切り上げの下限とも重なる。
同領域を継続的に下回れば、1,700ドルに向けて下落する可能性が生じる。予想確率は大幅に低下したものの、予測市場では依然として1,700ドルまでの下落に備えたヘッジが行われている。
現時点では、MACDの強気クロスと高い上方ブレイク確率を踏まえると、ETHのトレーダーは、7月28~29日のFOMC会合を前に大幅な下落トレンドへの転換に備えるのではなく、1,800ドル付近を下限とする横ばいから上向きのもみ合いを見込んでいる可能性が高い。


