グローバルに展開する暗号資産取引所Bitget(ビットゲット)は10月20日、GMOインターネットグループ傘下でタイ・バンコクに拠点を置く暗号資産取引所「GMO-Z.com Cryptonomics (Thailand)」を買収することで合意したと発表した。
ライセンスを持つ現地事業者を取得し、タイで自社の取引プラットフォームを提供する足がかりにする計画。なお、買収は規制当局の承認などを条件としている。
タイ政府は近年、投資家保護と市場の健全化などを目的に暗号資産に対する規制を強めている。2025年には、証券取引委員会(SEC)がBybit(バイビット)やOKX(オーケーエックス)など無許可の5事業者へのアクセス遮断を発表した。
Bitgetによると、GMO-Z.com Cryptonomicsは現地ライセンスを持つ取引所を運営している。今回の買収は、同社の現地での事業経験と市場知識を生かし、タイで運営体制を強化する狙いを示している。
Bitgetは、出資先のBTGT Managementを通じて取得する。GMOインターネットグループとタイの子会社などが保有する全株式を、BTGTまたはBTGTが指定する法人に譲渡する内容だという。譲渡価額は公表されていない。
同グループは9月24日、この株式譲渡を取締役会で決議したと開示している。譲渡の実行日は10月31日の予定で、2026年12月期の連結業績への影響は軽微としている。
BitgetのGracy Chen(グレイシー・チェン)CEOは、市場に根を下ろすには現地の専門知識や規制環境の理解、長期的なコミットメントが必要だとコメント。Bitgetは買収の完了と、支配権の変更に対する規制当局の承認を得たうえで、タイの規制に沿って自社プラットフォームをタイの利用者に提供する意向を示した。
Bitgetは8月に日本居住者向けサービスの終了を発表し、9月には約3億8750万ドル(約610億円)規模の不正流出被害を公表している。
今回の買収は、規制が厳しい市場に現地でライセンスを持つ事業者の取得を通じて参入する事例の一つといえる。
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|文:橋本祐樹
|画像:Adobe Stock


