米Circle Internet Group(サークル)は10月7日、SAPの支援を受ける金融サービス企業Tereinaと提携したと発表した。米ドル連動のステーブルコイン「USDコイン(USDC)」とユーロ連動の「EURC」を、企業が日常的に使う業務システムに統合する。
まずSAPのクラウド型ERP(基幹業務システム)を対象とし、決済サービス「SAP Pay(SAPペイ)」を通じて利用できるようにする。利用条件を満たす企業は、普段使う業務アプリケーションからUSDCやEURCを送受信できるようになる。
SAPのクラウドERPは、会計や販売、調達、在庫管理などの業務とデータをまとめて管理するシステムだ。対象となる米ドル建ての決済ではUSDCを優先的な選択肢とし、ユーロ建ての取引にはEURCを用意する。
サークルはSAPペイでのUSDC活用について、海外の仕入先への支払いやグループ企業間の資金移動、売掛金・買掛金の決済を用途に挙げている。既存の銀行決済に加え、24時間365日稼働するブロックチェーンでの決済も利用できるという。承認や権限管理、入出金の照合など、従来の業務手順にも対応する。
発表では、SAPの顧客企業が関わる商取引は世界全体の84%に相当するとしている。
日本でも、INPEXやENEOS、ミツカングループ、東宝、東海エレクトロニクスなどがSAPのクラウドERPを採用している。
ただし、日本の導入企業がそのまま利用できるわけではない。SAP Payは、別途定めがある場合を除き、米国またはEUに所在する顧客企業・関連会社の取引を対象としている。USDCの利用には、サークルの法人向けサービス「Circle Mint」の適格なアカウントも必要となる。
サークルはすでに、銀行や決済事業者がデジタル資産を直接保有・管理せずにUSDC決済を利用できるサービスを提供している。今回は企業の業務システムにも対応を広げる。
両社は今後数カ月、顧客と共同で導入効果を検証するほか、財務・決済担当者向けの研修を実施する予定だ。
【次に読む】
» Circle、ステーブルコイン決済プラットフォームをローンチ
» JCB、Circleとステーブルコイン活用で協業検討──USDCで社内資金移動の実証も視野
» Circle、野村ホールディングスとデジタル金融で協業へ──改正資金決済法の施行と、動き出す日本のステーブルコイン決済【MCB FinTechカタログ通信】
|文:平木 昌宏
|画像:Adobe Stock


