- ビットマインが総供給量の5%に達した時点でETHの買い増しをやめると表明し、水曜日にイーサリアムは5%下落して2,553ドルとなった。
- ビットマインは約602万ETH(154億6,000万ドル相当)を保有しており、これはイーサリアム供給量の4.927%に当たる。
- ETHは20日移動平均を下回り、2億5,074万ドル分のポジションが清算された。一方、資金調達率はわずかにマイナスに転じた。
イーサリアムが5%下落 ビットマインがETHの積極的な買い増しの終了を示唆
イーサリアムは火曜日の始値2,700ドルから5%近く下落し、米東部時間の水曜日正午ごろにはコインベースで2,553ドルまで下げた。
3週間ぶりの最大の1日下落となり、ETHは20日移動平均の2,683.89ドルを割り込んだ。最大の企業保有者であるビットマイン・イマージョン・テクノロジーズによる逆風を受けた形だ。

ビットマインのトム・リー会長は、同社がETHの蓄積量について上限に近づいていると述べた。
リー氏は水曜日にシンガポールで開かれたToken2049の基調講演で、ビットマインがこれまでに約600万ETHを蓄積したと語った。これはイーサリアムの総供給量の約4.9%に相当する。
目標に到達するには、あと約10万ETHが必要だという。
リー氏は、ビットマインが5%の水準を超えて買い増しを続けることはないと明言した。
同社はこれまで、イーサリアムの普及と成長次第では5%を超える可能性を残していた。
8月のBanklessのインタビューでは、リー氏は2027年にその可能性を再検討する余地があると述べていた。
しかし今回の発言により、同社の現在の財務戦略にはるかに明確な上限が設けられた。
ビットマイン、ETHの「積み上げは完了」と表明
リー氏によれば、ビットマインはETHの大部分を暗号資産の価格が低迷していた時期に蓄積した。
この戦略により、同社はイーサリアムが低い評価額で取引されていた間に大きなポジションを築くことができた。
リー氏は現在、その蓄積フェーズをおおむね完了したとみている。
同氏は5%の上限をビットマインの資本戦略とも結びつけた。
イーサリアム供給量の5%に達した時点で購入をやめれば、ビットマインはETHの追加取得のために継続的に資金を調達する必要がなくなる。
その結果、同社は財務規模を際限なく拡大するのではなく、ETHの価格上昇とステーキング収入から利益を得ることに注力できる可能性がある。
ビットマインは6月、資本戦略を支えるために3億ドルの永久優先株の発行を開始した。
8月上旬までには、40億ドルの自社株買いプログラムに基づき、1,610万株の普通株も買い戻していた。
5%の上限は、ビットマインのETH残高の増加が直ちに止まることを必ずしも意味しない。
同社が上限に達したあとも、ステーキング報酬によってETHが財務資産に加わり続ける可能性がある。
リー氏はこれまで、保有比率が5%を超えないよう、ステーキングで得たETHを売却する可能性を示唆していた。
つまり、同社のETHの純購入は終わっても、財務運用は続くことになる。
ビットマインの5%上限は、イーサリアムの主要な買い圧力の一つを取り除く可能性
ビットマインは、イーサリアムの企業買い手として最大級かつ最も継続的な存在となっているため、同社が計画する5%の上限は重要な意味を持つ。
CoinGeckoのデータによると、ビットマインは約6,016,414 ETHを保有しており、その価値は約154億6,000万ドルである。

これはイーサリアムの総供給量の約4.927%に当たる。したがって、同社が表明した保有上限に達するまでの余地は、比較的わずかである。
ビットマインが5%に達して購入をやめれば、イーサリアムは最大級の継続的な現物需要の源の一つを失う可能性がある。
ビットマインは2026年第3四半期に30万1,000ETHを取得し、9月末までに570万ETHから約600万1,000ETHへと保有量を増やした。これを追い風に、イーサリアムは第3四半期にビットコインを上回るパフォーマンスを示し、上昇率は77%対44%だった。
他の企業財務の買い手がその需要を埋められなければ、影響はいっそう大きくなる可能性がある。
好材料としては、ビットマインの決定により、追加の資金調達やバランスシートの拡大の必要性が減る可能性がある。
相対的な安定が得られれば、同社はステーキング、バリデーターの運営、既存のETH保有資産の価値の管理に集中できるだろう。
イーサリアムのステーキング集中が、分散化をめぐる新たな議論を呼ぶ
ビットマインの5%の保有上限は、イーサリアムのエコシステムがステーキングの集中とネットワークの分散化について議論しているさなかに示された。
2026年7月、イーサリアムの開発者らは、総ステーキング比率が50%に近づくにつれて限界報酬を減らす仕組みを提案した。
その根本的な目的は、ネットワークに十分な経済的安全性を保ちながら、ETHがステーキングに過度に集中するのを防ぐことにある。
ステーキング参加率が高い水準になるほど限界報酬が下がれば、ネットワークが十分に高い参加水準に達したあとは、新たな資本のステーキングへの流入が抑えられる可能性がある。
批判的な立場からは、報酬を減らすとバリデーターのインセンティブが弱まりかねないとの指摘がある。特に、ETHの他の用途に比べてステーキング利回りの魅力が薄れた場合にそうなるという。
分散化に関しても、より広い懸念がある。
ステーキングの収益性が小規模な参加者にとって魅力を失えば、運営コストが低く規模の経済が働く大手の専門事業者が優位を保ち続ける可能性がある。
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|文:栃山直樹
|画像:Adobe Stock


