ビットマイン、ETH保有率5%に迫る──7月のETH ETF流入はビットコインETFの2倍超【価格分析】

・米国の現物イーサリアム上場投資信託(ETF)には7月、3億6517万ドルの資金が流入し、ビットコインETFの1億7242万ドルの2倍を超えた。これにより、8週連続の純流出に終止符を打った。
・ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズは、暗号資産を財務資産として保有する戦略を加速させ、保有量を579万イーサリアム(ETH)まで拡大した。これはETHの流通供給量の4.8%に相当する。
・テクニカル指標と予測市場は、ETHが当面1,800~2,000ドルのレンジで推移する可能性を示している。

イーサリアムETF、2カ月間の低迷から反転──ビットマインの保有量は流通供給量の4.8%に

ETH価格は8月3日(月)、1,860ドル付近で取引を開始した。週末に報じられたColdcardの脆弱性を悪用した約594BTCの盗難を受けて暗号資産市場が反応する中でも、20日移動平均線を上回る水準を維持した。

7月にはETHに対する機関投資家の需要が強まり、米国の現物イーサリアムETFは3億6517万ドルの純流入を記録した。これは、同月にビットコインETFへ流入した約1億7200万ドルの2倍を超える。

イーサリアムETFは、7月11日までの1週間に8442万ドルの純流入を記録し、続く7月13~17日にも1億500万ドルが流入した。これにより、8週連続の純流出に終止符を打った。

Table of Ethereum ETF Flow (US$m) by provider with logos, showing Seed, Fees, and daily values across dates; totals row at bottom.
<7月31日(金)、ブラックロックのステーキング対応ETH ETF「ETHB」が1540万ドルを集め、イーサリアムETF市場全体の純流入を維持した|Farside Investors>

ブラックロックのETH関連商品であるETHAとETHBが、市場に流入した新規資金の大半を占めた。

ETHA(iShares Ethereum Trust)は、機関投資家から最も多くの資金を集めるイーサリアムETFとしての地位を維持した。7月20~24日の週に保有量を3万7424ETH(約7010万ドル相当)増加させた。設定来の累計純流入額は114億5000万ドルに達した。

ETHB(iShares Staked Ethereum Trust)は、月末にマクロ経済を巡る相場変動が激しくなる中、イーサリアムETF市場全体を下支えした。

Farside Investorsのデータによると、7月31日(金)には、ほかの主要ETFが大幅な資金流出を記録する中、ETHBだけで1538万ドルを集め、イーサリアムETF市場全体の純流入を維持した。

最大のETH保有企業であるビットマインの財務需要も、機関投資家による買いの流れを後押しした。

トム・リー氏が率いる同社は、7月中に毎週ETHを買い増し、「Alchemy of 5%」戦略の目標達成に近づいた。一方、ビットコイン(BTC)を財務資産として保有するストラテジーは、7月を通じて買い付けを停止した。

月初には、米国で提案されているCLARITY法案への期待が市場心理を押し上げる中、ビットマインは4万2197ETHを取得した。

7月第3週には、8600万ドル規模の自社株買いを実施する一方、ETHの購入量を7430ETH(約1400万ドル相当)に減らした。その後、7月最終週には9946ETHを取得した。7月の週間購入量で最大だったのは、月初の4万2197ETHだった。

ビットマインは現在、約579万ETH(約112億ドル相当)を保有している。これはETHの流通供給量の4.8%に相当する。

保有するETHの約85%に当たる491万7189ETHがステーキングされている。このうち一部は同社のMAVANプラットフォーム上で運用されている。これにより、同社は継続的なステーキング収益を得るとともに、保有ETHの大部分を流動性の低い状態に置いている。

ETFへの継続的な資金流入と、企業による財務資産としての積極的なETH買い増しは、7月にビットコイン・ドミナンスが大幅に低下する中でも、機関投資家がETHの収益を生む仕組みとしての優位性や、資産のトークン化を含む長期的な活用事例を評価し、投資を続けていることを示している。

ETH価格予測:予測市場は2,000ドル到達を意識、テクニカル指標では1,800ドル付近が下値の焦点に

機関投資家を取り巻く環境が改善している一方、予測市場におけるポジションは、8月を迎えたトレーダーが引き続き慎重な姿勢を取っていることを示している。

8月3日(月)時点で、Polymarketでは、ETHが8月中に1,900ドルへ到達するとの見方が最も強い。市場が織り込む確率は38パーセントポイント上昇し、88%となっている。

Prediction market dashboard asking 'What price will Ethereum hit in August?' with sentiment percentages and Yes/No betting options on each row.
<予測市場:ETHは8月にどの価格に到達するか|Polymarket>

一方、8月中に2,000ドルへ到達する契約の市場確率は54%となっている。買い手に心理的に重要な節目である2,000ドルを再び上回るだけの勢いがあるかどうかを巡り、市場の見方がほぼ二分されていることを示している。

ETHの下落を見込む予測市場の契約にも、依然として高い需要がある。

予測市場では、ETHが8月中に一時1,800ドルを下回る確率が78%とされており、取引高は約9,700ドルに達している。

ただし、さらに深い下落への確信は急速に弱まり、1,700ドルを下回る確率は48%にとどまる。トレーダーの多くが、価格下落を新たな長期的弱気相場の始まりではなく、一時的な調整とみていることを示している。

テクニカル面では、ETHは短期的な勢いを失ったものの、中期的な相場構造は引き続き改善基調にある。

ETH/USD candlestick chart with volume bars and three overlay indicators (blue dashed, orange dashed, and red line) over July–August 2026.
<ETHのテクニカル価格分析|TradingView、2026年8月3日>

ドンチャン・チャネルは、一定期間における最高値と最安値を追跡する指標であり、変動するサポートラインとレジスタンスラインを見極めるために広く利用されている。

価格が下限の1,801ドルを上回る水準を維持していることは、買い手が直近の取引レンジを引き続き守っていることを示している。

1,979ドル付近に位置するドンチャン・チャネルの上限が、上方ブレイクアウトの主要水準となる。この価格帯を終値で明確に上回れば、強気の勢いが再び高まったことが確認され、2,000ドル超を回復する確率を50%超とする予測市場の見方とも一致する。

チャートでは、赤線で示された200日移動平均線が現在の価格に向かって着実に上昇していることも確認できる。

傾きがプラスであることは、直近数カ月の高い価格データが、より古い弱気局面のデータと徐々に入れ替わる中、ETHの長期的なトレンドが改善を続けていることを示している。

長期移動平均線の上昇は一般的に、価格が一定の範囲内でもみ合っている局面でも、長期的な価格トレンドが改善していることを示す場合がある。

相対力指数(RSI)は50.8まで低下し、RSIの移動平均である56.5を下回った。

RSIは価格モメンタムの速さと強さを測る指標であり、50付近では買い手と売り手のどちらも市場を支配していないことを示す。

RSIが下向きになっていることは、7月の上昇を受けて強気の勢いが鈍化したものの、明確に反転したわけではないことを示している。

次の強気のブレイクアウトが確認されるには、1,980~2,000ドルを明確に上回る必要がある。

それまでは、デリビットのオプション市場でマックスペイン価格とされた1,750ドルも、デリバティブ市場で意識される参考水準の一つとなる。

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