ドイツのステーブルコイン発行体AllUnity(オールユニティ)は9月30日、米ドル連動型ステーブルコイン「USDAU」の発行を開始した。
同社が発行する法定通貨裏付け型の銘柄としては、ユーロ連動型の「EURAU」、スイスフラン連動型の「CHFAU」、スウェーデンクローナ連動型の「SEKAU」に次ぐ4種類目となる。
USDAUは、EU(欧州連合)の暗号資産市場規則(MiCA)に準拠したトークンであり、分別管理された準備金によって1対1で裏付けられ、6つのブロックチェーン上で展開される。
今回の新規発行は、欧州の政策当局においてドル連動型ステーブルコインの優位性がもたらす影響について議論が交わされるなかで実施された。
CoinGeckoのデータによると、約2910億ドル(約45兆6870億円、1ドル=157円換算)規模のステーブルコイン市場のうち、99%超をドル連動型が占めている。欧州中央銀行(ECB)も今年6月、ドル建て銘柄の普及がトークン化金融市場におけるユーロの役割を低下させかねないと警告していた。
こうした見方に対し、AllUnityのアレクサンダー・ヘプトナー(Alexander Höptner)CEOは、「欧州が懸念しているのはドルという通貨そのものではない。監督が及ばず、確実な償還権や準備金の透明性も担保されていないオフショア発行体を通じて、ドルの流動性が流入していることだ」と反論している。そして、USDAUはドルの流動性を欧州の厳格な規制下に置き、域内企業の貿易や国際決済を支援していくと述べた。
欧州の規制に準拠したドル連動型ステーブルコインは、Tether(テザー)のUSDTやCircle(サークル)のUSDCの有力な代替手段になり得る。ただし現状として、同社が発行するEURAUの時価総額は約40万ドル(約6280万円)にとどまっている。
なお、日本国内においても今年6月、外国発行の信託型ステーブルコインの流通を解禁する改正内閣府令が施行されるなど、各国の規制整備が進みつつある。
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|文・編集:井上 俊彦
|画像:Shutterstock