●ビットコインは7万6,000~8万2,000ドルのレンジで推移し、上昇モメンタムは鈍化しているものの、取引所への継続的な流入は確認されていない。
●米国の現物需要低下とETH・アルトコインの売り圧力が短期的な重荷となる一方、現状は本格的な弱気転換ではなく「強気相場の冷却局面」と考えられる。
CryptoQuantが9月16日に公表したWeekly Reportでは、足元のビットコイン市場を「Bullish Cooldown(強気相場の冷却)」と評価している。では、市場では実際に何が起きているのだろうか。
ビットコインは直近の上昇後、7万6,000~8万2,000ドルのレンジに入り、現在はその下限に近い水準で推移している。価格が急落しているわけではないが、高値を更新する勢いは明らかに弱まっている。

市場の強さを示すビットコイン:強気スコア指数(Bull Score)も、上昇局面の80から60まで低下した。依然として強気圏の境界にあるものの、「極めて強い上昇環境」から、利益確定と様子見が優勢になる局面へ移行したことを示している。
米国の現物需要が後退
特に注意したいのが、米国投資家の需要低下だ。

Coinbaseと他の取引所との価格差を示すCoinbase Premiumは、ビットコインが8万ドル付近から調整する中で、再びマイナス圏へ低下した。これは、米国の投資家が積極的に現物を買っていない可能性を示す。
ビットコインが持続的な上昇相場へ戻るためには、先物市場の買いだけでは不十分だ。Coinbase Premiumがプラス圏に転じ、それを維持できるかが重要な確認ポイントになる。
ETHとアルトコインには売り圧力
ビットコイン以上に警戒が必要なのが、ETHとアルトコインである。

ETHの取引所流入量は8月下旬と9月10日前後に急増し、一時160万~170万ETH規模に達した。

また、アルトコインの取引所流入トランザクション数は、9月8日に5万6,000件となり、約9カ月ぶりの高水準を記録している。
暗号資産が取引所へ送られたからといって、必ず売却されるとは限らない。しかし、売却可能な供給が増えていることは事実であり、相場が弱含んだ場合には下落圧力へ変わる可能性がある。
ビットコインへの継続的な売りは見られない
一方、ビットコインの取引所流入は比較的落ち着いている。
8万2,000ドルへ上昇した際には、取引所流入量が一時約5万3,000BTCまで増えた。高値で利益を確定しようとする動きが出たとみられるが、その後は流入量が低下しており、大規模な売却が継続している状態ではない。
ここが、今回の調整を本格的な弱気転換と判断しにくい最大の理由である。ビットコイン保有者が一斉に取引所へ資産を移しているわけではなく、現時点では「分配」よりも「上昇後の持ち合い」に近い。
7万ドルを維持できるか
今後の重要な価格帯は、200日移動平均線が位置する7万ドル前後だ。ここを割り込んだ場合には、オンチェーン上で取得価格が集中する6万2,000~6万5,000ドルが、次の主要なサポートとして意識される。
現在のビットコインは、弱気相場に転換したというより、上昇を再開するための需要が不足している状態だ。
米国の現物需要が戻るのか。ETHとアルトコインの取引所流入が収まるのか。そしてビットコインが7万ドルを維持できるのか。この3点が、次の方向を見極めるうえで重要になる。
短期的には上値の重い展開を想定する必要がある。ただし、ビットコインの取引所流入が低水準にとどまる限り、現状は「上昇相場の終了」ではなく、「上昇後の冷却期間」と見るのが妥当だろう。
ショート動画
ビットコインは下落転換?米国需要の低下とアルトコイン売り圧力
https://youtube.com/shorts/wPImoPbIGnE
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