ビットコインはどこで売られるのか──88,700ドルの利益確定ラインと77,000~80,000ドルの供給の壁【エックスウィン】

ビットコインは直近2週間で約24%上昇したものの、現在は77,000ドル前後で上値の重い展開となっている。CryptoQuantが9月11日に公表した週次レポートは、その背景として「現在価格のすぐ上にある長期保有者の供給」と「88,700ドル付近で想定されるトレーダーの利益確定」という、2つのオンチェーン上の抵抗を指摘している。

88,700ドルはトレーダーの利益確定が意識される水準

最初に注目したいのが、トレーダーのオンチェーン実現価格バンドだ。この指標は、短期的に売買する市場参加者の平均取得価格を基準に、価格がどこまで上昇すると利益確定が出やすくなるかを示している。

現在、トレーダーの実現価格は63,400ドル、上限バンドは88,700ドルに位置する。ビットコインが上限バンドへ近づくほど、トレーダーの含み益は大きくなる。過去の傾向では、含み益が拡大した局面で利益確定売りが強まりやすく、88,700ドルが次の大きな抵抗線として意識される。

ただし、88,700ドルへの到達が直ちに下落を意味するわけではない。現物需要が十分に強く、利益確定売りを吸収できれば、上限バンドを超えて価格評価がさらに切り上がる可能性もある。重要なのは、価格だけでなく、上昇局面で現物の買い需要が伴っているかを確認することだ。

Bitcoin price chart with on-chain price bands and realized price; orange annotation notes upper band at ,700 USD
<チャート1:ビットコイン──トレーダーのオンチェーン実現価格バンド>

その前に立ちはだかる77,100~80,200ドルの供給の壁

もっと短期的に重要なのは、現在価格のすぐ上にある77,100~80,200ドルの価格帯だ。

長期保有者の支出を取得価格別に確認すると、2026年にはこのゾーンで30日間に最大53万9,000BTCが動いた。CryptoQuantは、ここを長期保有者による売却が集中した「供給の壁」と位置づけている。価格がこの範囲へ戻ると、過去に売却した投資家や含み損から解放される保有者の売りが出やすく、上昇を抑える可能性がある。

つまり、ビットコインが88,700ドルを試すためには、まず77,100~80,200ドルに存在する供給を吸収しなければならない。現在の市場にとっては、遠い上値目標よりも、この直近の供給帯を明確に突破できるかが最初の焦点となる。

Informational chart titled 'Bitcoin: Long-term holder spend (exchanges excluded, 30-day total)'. A scatter plot showing price on the x-axis (roughly k–0k) and total BTC moved on the y-axis (up to 480k), with orange callouts indicating long-term holders buying around k–k and selling around k–k, highlighting support and resistance with totals in the hundreds of thousands of BTC.
<チャート2:ビットコイン──長期保有者の支出量(取引所を除く、30日合計)>

下値では62,000~65,000ドルが支えになる

上値には供給の壁がある一方、下値の支持帯も明確だ。62,000~65,000ドルでは、2026年に約47万6,000BTCが長期保有者によって取得された。この価格帯まで下落した場合、取得価格を意識した買いが入りやすく、オンチェーン上の重要なサポートとして機能する可能性がある。

現在の構造を整理すると、77,100~80,200ドルが目先の抵抗帯、88,700ドルが利益確定の強まりやすい次の上限、62,000~65,000ドルが下値支持帯となる。

強気転換には「供給を吸収する需要」が必要

今回のデータが示しているのは、ビットコインの上昇余地が失われたということではない。問題は、上値に待つ売りを吸収できるほどの新しい需要が入るかどうかだ。

77,100~80,200ドルを明確に上抜け、その後も現物需要が継続すれば、次は88,700ドルが重要な判断水準になる。一方、供給を吸収できなければ、当面はレンジ内での調整が続く可能性が高い。

価格が抵抗線へ近づいたときほど、「上がったか、下がったか」だけでなく、誰が売り、誰がその売りを吸収しているのかを見る必要がある。今回の2つのチャートは、ビットコインが次の上昇局面へ進むために越えなければならない壁を、具体的に示している。

ショート動画

ビットコイン、上値を阻む「2つの売りの壁」
https://youtube.com/shorts/cZ030C8e3Gk

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