Metaplanet(メタプラネット)のSimon Gerovich(サイモン・ゲロヴィッチ)CEOは9月6日、報酬・ガバナンス方針の見直しを継続しているとXへの投稿で明らかにした。株主からの質問や批判を受け、経営判断の意図や長期的な株主価値との関係を伝える情報発信も強化するという。
報酬制度をめぐる論点の一つが、役職員向けの第10回新株予約権による株式の希薄化だ。同社の開示資料によると、行使価額は1株10円で、増資などに応じて取得できる株式数も増える仕組みだった。一般株主の持ち分比率が新株発行によって低下する一方、権利を持つ役職員には取得可能な株式数を増やす調整が働いていた。
同社の8月18日付開示資料では、この仕組みが既存株主の希薄化負担を拡大し、将来の希薄化の程度を見通しにくくしていたと説明している。また、資金調達に伴って権利保有者の経済的利益も増え得るため、資金調達の判断と役職員の利益との関係に懸念が生じる可能性があったという。
ゲロヴィッチ氏によると、経営陣は今回の投稿に先立つ1週間、寄せられた質問や意見、批判を確認してきたという。その結果、会社の仕組みや判断が全株主の長期的な価値創出にどうつながるのか、十分に伝えられていなかったとの認識に至ったという。
同氏の説明では、意見に違いがあっても、経営陣と株主の利害を一致させ、長期的な価値を最大化するという目標は共通しているという。そのための対応として、8月18日に発表した調整条項の撤廃や対象株式数の固定などを挙げている。
8月18日の変更では、第10回新株予約権に係る潜在株式数を3億1946万4000株に固定した。権利行使で取得する株式には、原則として2031年8月17日までの売却・譲渡制限も設けた。
その後、同社が8月31日に公表した資料によると、ゲロヴィッチ氏は8月28日に新株予約権の一部を行使し、普通株式6403万2000株を取得した。この株式にも同じ売却・譲渡制限が適用される。
ゲロヴィッチ氏によると、報酬とガバナンスに関する方針の見直しは現在も続いており、完了後に更新内容を共有するという。今回の投稿では、追加の見直し内容や完了時期は示していない。
また、同氏はメタプラネットの株主であるMMXX Ventures(MMXXベンチャーズ)との関係についても説明した。自身はその親会社の株式を相当程度保有するものの、過半数は保有していないという。MMXXベンチャーズの取締役や業務執行を担う役員には就いておらず、投資や売買の意思決定にも関与していないとしている。
足元では、9月4日にビットコイン(BTC)価格が8万ドルを再突破するなど、相場に持ち直しが見られる。メタプラネット株も安値から反発しているが、年初来高値には届いていない。
Yahoo!ファイナンスによると、9月4日の同社株終値は前日比5.02%高の293円だった。7月1日の年初来安値192円からは回復したものの、1月15日の年初来高値639円を約54%下回っている。

ゲロヴィッチ氏は、今後はメタプラネットが下す判断と、それが会社の将来にどうつながるのかについて、これまで以上に情報を発信していくとしている。
|文:平木 昌宏
|トップ画像:メタプラネット公式サイトより(キャプチャ)


