Coinbase(コインベース)は8月11日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで、トークン化証券事業に関する金融サービス許可(FSP)を取得したと発表した。アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)の金融サービス規制当局(FSRA)が許可した。
同許可により、投資取引の手配とカストディ(保管)の手配を行えるようになった。コインベースはアブダビを「国際的なトークン化拠点」と位置づけ、株式を裏付けとするデジタル証券をブロックチェーン上で扱う市場基盤を整備する方針だ。
トークン化証券とは、株式などの資産に関する権利を、ブロックチェーン上のデジタル証券として表現する仕組みを指す。コインベースによると、対象となる証券は実際の株式で裏付けられ、利用者はウォレットで保有・移転できる設計となる。
今回の取り組みでは、株式を裏付けとするデジタル証券の具体例もすでに確認されている。FSRAの承認済み目論見書には、Coinbase Onchain SPV Ltdが発行する「NVIDIA CB Certificates(NVDAc)」が掲載されている。
コインベースは、こうしたデジタル証券をウォレットで保有したり、ブロックチェーン上で移転したりできる仕組みを目指している。通常の取引では従来型の証券口座を必須としない一方、現金などに換える償還手続きでは、銀行口座や証券口座が必要になる場合があるという。
また、送金時には制裁対象者などを確認し、法令上必要な場合には資産を凍結できる仕組みも設ける。
今回の許可取得は、コインベースが以前から進めてきたオンチェーン金融事業を広げる動きでもある。
同社は2023年、機関投資家向けのオンチェーン金融基盤「Project Diamond」を発表し、ADGMのRegLab参入に向けた技術実証を進めていた。2026年6月には、米国株を裏付け資産とするトークン化株式の提供計画も発表している。
今回FSPを取得したことで、こうした取り組みをADGMの規制枠組みの下で本格的な事業へ広げていく形となる。
|文:平木 昌宏
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