・現物取引の低迷が取引収益を圧迫し、Coinbaseの第2四半期決算は市場予想を下回った。
・世界の暗号資産取引高全体に占めるシェアは過去最高の10.3%に達したほか、ステーブルコイン、デリバティブ、予測市場が力強く成長した。
・経営陣は、サブスクリプション収益や新商品の拡大により、「Everything Exchange」戦略がビットコイン(BTC)現物取引への依存度を低下させたと説明した。
Coinbase、暗号資産取引高の世界シェアは過去最高──第2四半期は予想上回る赤字
Coinbaseは木曜日、世界の暗号資産取引高全体に占めるシェアが過去最高に達したものの、最終損益がウォール街の予想を下回るなど、強弱入り交じる第2四半期決算を発表した。
暗号資産価格の下落に伴って取引活動が鈍化し、世界の暗号資産現物取引高は前四半期比で25%減少した。業界全体が減速するなかでも、Coinbaseの世界の暗号資産取引高に占めるシェアは、第1四半期の9.1%から過去最高の10.3%へ上昇した。
同四半期の総収益は12億2000万ドル、純収益は11億5400万ドルとなった。総収益は市場予想の約12億9000万ドルを下回り、前年同期比で19%減少した。

GAAPベースの純損失は3億5900万ドル、1株当たりでは1.36ドルの損失となり、市場予想の1株当たり約0.44ドルの損失より大幅に悪化した。
取引収益は5億9900万ドル、サブスクリプションおよびサービス収益は5億5500万ドルとなり、いずれも市場予想を下回った。
調整後EBITDAもウォール街の予想を下回った。経営陣は、暗号資産価格の下落、市場のボラティリティ低下、取引高の減少が業績を圧迫したと説明した。
Coinbase株は木曜日の通常取引を1株163ドルと、前日比2%高で終えたが、第2四半期決算の発表後、時間外取引で5%超下落した。
ステーブルコイン、予測市場、デリバティブが収益の多角化をけん引
取引活動が低迷するなかでも、Coinbaseは従来の暗号資産現物取引以外の事業で成長が加速したと報告した。
同社の予測市場事業では、収益と契約取引数が前四半期からいずれも2倍以上に増加し、年率換算収益は1億ドルを突破した。
新たに提供を開始した暗号資産のバイナリー契約も利用が大きく拡大した。四半期末時点の1日当たりのトレーダー数は5月の日次平均の3倍となり、バイナリー契約による日次収益も4倍に増加した。
ステーブルコインは、同四半期もCoinbaseで最も成長の速い事業の一つとなった。同事業の収益は2億9200万ドルに達し、サブスクリプションおよびサービス収益5億5500万ドルの半分以上を占めた。
Coinbaseは、過去1年間にUSDCがもたらす経済的利益の約50%を取り込んだと説明した。また、Coinbaseの各種サービスで保有されるUSDCの平均残高は過去最高の200億ドルに達し、同社によると、四半期末時点のUSDC流通量の30%超に相当するという。
Coinbaseが運営するイーサリアムのレイヤー2ブロックチェーン「Base」も大きく成長した。Baseにおけるステーブルコインの取引高は前年同期比で7倍に増加し、同ネットワークが過去12カ月間に処理したステーブルコインの移転取引額は約32兆ドルに達した。
経営陣は、AIを活用したオンチェーン決済や金融アプリケーションのインフラとして、Baseの役割が拡大していることも強調した。
「Everything Exchange」戦略でBTC現物取引への依存度を低減
Coinbaseは、収益源が従来のBTC現物取引以外へ広がるなか、事業モデルの多角化が一段と進んでいると説明した。
経営陣によると、現在では純収益の約88%がBTC現物取引以外の事業から生み出されている。かつてはBTC取引が全社収益の半分以上を占める時期もあった。
第2四半期のサブスクリプションおよびサービス収益は、Coinbase全体の純収益の約48%を占め、取引環境が低迷する局面でも、より安定した収益源となった。
同社の調整後EBITDAは14四半期連続でプラスとなった。また、有料サブスクリプションサービス「Coinbase One」の契約数も過去最高を更新した。
Coinbaseは市場全体が低迷するなかでも、暗号資産デリバティブ分野での事業拡大を続けた。
世界の暗号資産デリバティブ市場におけるシェアは3四半期連続で上昇した。業界全体のデリバティブ取引高が減少するなかでも、直近12カ月間のデリバティブ取引高は4兆2000億ドルを突破した。
経営陣は、2025年8月に買収を完了したDeribitを通じて、現物、先物、無期限先物、オプションを網羅するグローバルな暗号資産デリバティブ商品・サービスを強化していると説明した。
幹部らは、第2四半期の業績について、Coinbaseの「Everything Exchange」戦略が初期段階で成果を上げていることを示したと述べた。
同戦略は、営業費用を規律ある水準に保ちながら、デリバティブ、ステーブルコイン、予測市場、トークン化資産、オンチェーン決済へ収益源を広げることを目指している。


