・原油価格の急騰を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測が強まり、米ドルが対円で39年ぶりの高値を付けるなか、ビットコイン(BTC)は6万5000ドルを割り込んだ。
・暗号資産市場では3億ドル超のポジションが清算され、このうちロングポジションは2億4000万ドル超を占めた。
・米国の現物ビットコイン上場投資信託(ETF)は2億2510万ドルの純流出を記録し、約10億ドルを呼び込んでいた7営業日連続の純流入が途切れた。
ドル高とFRBの利上げ観測がBTCを6万5000ドル以下へ押し下げる
米国とイランを巡る危機が深刻化し、原油価格が1バレル=100ドルを超えて急騰したことで、FRBが予想より早く利上げに踏み切るとの観測が強まった。こうしたなか、BTCは下落し、金曜日の午前0時時点で6万4100ドルとなった。
BTCは、週内に付けた高値の約6万6800ドルから4%下落した。同時に、米ドル建て資産への単日ベースの資金シフトは今月最大の規模となった。
米ドル指数(DXY)は木曜日、0.29%上昇して101.54となった。日次上昇率は6月23日以来の大きさとなった。
米ドル指数は、ユーロ、日本円、英ポンド、カナダドル、スウェーデンクローナ、スイスフランという世界の主要6通貨で構成される通貨バスケットに対する米ドルの価値を示す指数だ。
世界の外国為替市場で米ドルへの需要が異例の高まりを見せるなか、円相場は1ドル=163円前後まで下落し、39年ぶりの安値を付けた。

中東情勢の緊張が再び高まり、原油価格が1バレル=100ドルを超えるなか、金利上昇観測も強まった。
これにより、インフレが長期にわたって高止まりするとの懸念が強まり、近い将来に金融緩和が実施される可能性が低下したことで、BTCなどのリスク資産に下押し圧力がかかった。
DXYとBTC価格の相関係数はマイナス0.03となり、両者はほぼ無相関だった。
週末を控え、予測市場でも原油高によるインフレへの影響に備えたディフェンシブなポジション取りが目立った。

Polymarketでは、7月29日に予定されている次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、FRBが政策金利を25ベーシスポイント引き上げる予想確率が、金曜日に20ポイント上昇して25%となった。週初めの時点では、わずか6.5%だった。
一方、政策金利が据え置かれる確率は、週初めの約96%から73%へ低下した。
また、25ベーシスポイントの利下げを織り込む契約の予想確率は、週を通じて大幅に低下した。
その一方で、市場では50ベーシスポイントという大幅な利上げの可能性にも注目が集まり、関連する賭けの金額は約1860万ドルに達した。
これは、25ベーシスポイントおよび50ベーシスポイントの利下げを予想する契約の取引額をいずれも上回った。
ビットコインETF、7営業日連続の純流入が終了──暗号資産市場で3億ドル超清算
マクロ経済を要因とする売りは暗号資産のデリバティブ市場にも急速に波及し、金曜日には強気のポジションを取っていたトレーダーが大きな損失を被った。
Coinglassのデータによると、暗号資産市場では2億4000万ドルを超えるレバレッジ取引のロングポジションが清算された。これは、同日の清算総額の79%を占めた。

この結果は、BTCとイーサリアム(ETH)が週前半に月間高値を更新したことを受け、多くのトレーダーがさらなる価格上昇を見込んで取引に臨んでいたことを示している。

BTCの清算総額は8490万ドルに達し、このうちロングポジションの清算額が6920万ドルと、損失の大半を占めた。
機関投資家のポジショニングも、より慎重な姿勢へと傾いた。
Farside Investorsのデータによると、米国の現物ビットコインETFは7月23日木曜日、2億2510万ドルの純流出を記録した。
これにより、7営業日連続の買い越しが途切れた。7月14日から22日までの期間中、これらのETFには約9億9930万ドルが流入していた。
原油価格が急騰し、金利見通しが利上げ寄りへ大きく変化したことで、マクロ経済の不透明感が強まった。こうしたなか、一部の機関投資家は週末を前にBTCへの投資エクスポージャーを縮小したとみられる。


