「安く買う」より「市場に居続ける」──オンチェーンデータが示すドルコスト平均法(DCA)の本当の価値【エックスウィン】

● ビットコインは短期では何度も大きな暴落を経験してきたが、長期では過去最高値を更新し続けてきた。
● そのため、市場のタイミングを狙う投資よりも、一定額を継続して積み立てるドルコスト平均法(DCA)が改めて注目されている。
● CryptoQuantの「Long-term Holder vs. Short-term Holder Supply」を見ると、長期保有者は年々増加しており、市場では短期売買よりも長期保有を選択する投資家が増えていることが分かる。

「安く買いたい」は誰もが考える

ビットコインへの投資を始めようと考えたとき、多くの人が最初に悩むのは「いつ買えばいいのか」という問題です。

「今は高いのではないか。」
「もう少し下がるのを待とう。」
「暴落したら買おう。」

このような考え方は決して間違いではありません。しかし、現実には相場の天井や底を正確に当て続けられる投資家はほとんど存在しません。

実際、ビットコインはこれまで10回以上、30%を超える調整を経験し、2013年には約80%、2018年には約84%、2022年にも約77%下落しました。それでも、その後はいずれも新たな高値を更新しています。

つまり、過去の歴史を振り返ると、「どこで買うか」よりも、「市場に居続けたかどうか」の方が、長期的な成果を左右してきたと言えるでしょう。

人はなぜ高値で買い、安値で売ってしまうのか

ここで重要になるのが、私の専門分野である行動ファイナンスです。人は合理的に投資判断をしているようで、実際には感情の影響を大きく受けています。

代表的なのが「損失回避性(Loss Aversion)」です。

同じ100万円でも、「100万円儲かる喜び」より、「100万円失う苦痛」の方を約2倍強く感じることが知られています。そのため、価格が下落すると、「もっと下がるかもしれない。」という恐怖が先に立ち、本来は安く買えるチャンスであるにもかかわらず、購入できなくなってしまいます。

反対に価格が上昇すると、「乗り遅れたくない。」というFOMO(Fear Of Missing Out)が働き、高値で購入してしまいます。

つまり、多くの投資家は、

安い時に買えず、
高い時に買ってしまう、

という心理的な罠に陥ってしまうのです。

DCAは「価格」ではなく「感情」をコントロールする投資法

ドルコスト平均法(Dollar Cost Averaging)は、毎月一定額を機械的に購入していく投資方法です。

価格が高い時には少なく購入し、価格が安い時には多く購入する。結果として平均取得価格が平準化されます。しかし、DCAの本当の価値は平均取得価格だけではありません。

最大のメリットは、「感情を排除できること」です。

相場を毎日予想する必要がなくなり、ニュースに振り回されることもなくなります。

投資判断を感情ではなくルールに任せられることこそ、DCAが長年支持されてきた理由なのです。

オンチェーンデータが示す「長期保有」の流れ

この考え方を裏付けるのが、CryptoQuantの「Long-term Holder vs. Short-term Holder Supply」です。

BTC holder trends over time: orange area for long-term holders, green for short-term, with price line shown and labeled axes.
Long-term Holder vs. Short-term Holder Supply

この指標は155日以上保有する長期保有者と、それ未満の短期保有者が保有するBTC量を比較したものです。

データを見ると、長期保有者の保有量は、価格変動を繰り返しながらも長期的には右肩上がりで増加しています。

一方で短期保有者は、価格上昇局面では急増し、下落局面では急減するという傾向が続いています。これは市場参加者が短期売買を繰り返している一方、市場全体では長期保有を選択する投資家が着実に増えていることを意味します。

もちろん、このデータだけでDCA利用者が増えたとは言えません。しかし、「長く保有する」という行動そのものが市場で拡大していることは明確に読み取ることができます。

ETF時代だからこそ積立投資が重要になる

2024年以降、米国では現物ビットコインETFが承認され、多くの機関投資家がビットコイン市場へ参入しました。企業による保有も拡大し、年金基金や資産運用会社など、短期売買ではなく数年単位で保有する主体が増えています。

市場の参加者が変化すれば、市場の性質も変化します。以前のような短期的な投機だけではなく、長期で保有する投資家が価格形成に大きな影響を与える市場へと移りつつあります。このような市場環境では、一括投資だけではなく、時間を分散する積立投資の重要性は今後さらに高まっていくでしょう。

DCAにも弱点はある

もちろん、DCAは万能ではありません。

相場が一方向に上昇し続ける局面では、一括投資の方が高いリターンになる場合があります。また、積立を始めたからといって短期間で利益が出るわけでもありません。

重要なのは、数か月ではなく、数年単位で継続することです。

DCAは「利益を最大化する投資法」ではなく、「失敗を最小化する投資法」と考えた方が正確でしょう。

エックスウィンの考え

エックスウィンでは、これからのビットコイン投資で重要なのは、「最安値を当てること」ではなく、「市場に居続けること」だと考えています。

短期的な価格予測は誰にもできません。しかし、自分に合った金額で積立を継続することは、誰にでも実践できます。

オンチェーンデータが示すように、市場では長期保有を選択する投資家が着実に増えています。その背景には、ビットコインを短期的な投機対象ではなく、中長期の資産として捉える参加者が増えているという構造変化があります。

価格の上下に一喜一憂するのではなく、時間を味方につけること。その積み重ねこそが、これからのビットコイン投資で最も重要な考え方になるのではないでしょうか。

ショート動画

「ビットコイン投資で勝つ人の共通点──タイミングより『続けること』だった!」
https://youtube.com/shorts/jGYY02F0oiI

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