暗号資産(仮想通貨)分析サービスのCryptoQuant(クリプトクアント)は11月3日、ステーブルコインの時価総額が1年超ぶりの低水準に達したと報告した。市場への需要と資金流入の不足が背景にあるとの見方を示した。
クリプトクアントによると、時価総額は4月の約2800億ドルから約2630億ドル(41兆5540億円、1ドル=158円)に減少した。減少額は約170億ドル(2兆6860億円)で、約半年間の減少率は約6%となる。

ステーブルコインは、法定通貨などに価値が連動するよう設計されたデジタル資産だ。暗号資産の取引や資金の待機先として利用されるため、その残高は市場に流入する資金の動向を捉える手がかりになる。
取引所別では、Binance(バイナンス)で保有されるステーブルコインの減少が目立つ。同取引所は、取引所にあるステーブルコイン供給量の約70%を占めるという。
クリプトクアントは、バイナンスで保有されるステーブルコインの時価総額が510億ドル(8兆580億円)から340億ドル(5兆3720億円)に減少したと説明した。また、同取引所へのハッキングで約30億ドル(4740億円)相当のステーブルコインが流出したとしている。

ただし、残高の減少はハッキング後に始まったものではない。バイナンスで保有されるステーブルコインの時価総額は1年以上にわたり減少傾向にあり、市場全体でも同様の動きが続いているという。
クリプトクアントは、地政学・経済情勢に加え、暗号資産関連サービスで相次ぐ不正流出が投資家のリスク意識を高めている可能性を指摘した。こうした環境が、市場への資金流入を妨げているとの見立てだ。
そのうえで、ここ数カ月の好調な流れが反転するのを防ぐには、暗号資産市場への流動性の回復が必要だと訴えた。
【次に読む】
» 預金金利上昇でステーブルコインの成長鈍化、USDCで顕著=BIS論文
» 米通貨監督庁、地域銀行にステーブルコイン発行への参入を呼び掛け
» TISIとCARDNET、社員食堂でステーブルコイン決済を実証
|文:平木 昌宏
|画像:Adobe Stock


