AnthropicのClaude、量子回路の最良設計を更新──暗号解読に関わる計算も改善

Anthropic(アンソロピック)は16日、同社のAI「Claude(クロード)」がより効率的な量子回路を設計したとするレポートを公開した。

化学や最適化、整数論など8種類の基本回路の仕様を平易な文章で与え、設計を検証・採点するプログラムと組み合わせた。その結果、Claudeはほぼ自律的に改良を重ね、公開済みの最良の設計を上回った。改善幅が10倍を超える例もあったという。

注目されるのは、暗号資産にも使われている楕円曲線暗号の解読に用いる「点の加算」の回路設計だ。その一つでは、従来の最小設計より量子ビットが12%多い一方、演算回数は17分の1に減ったという。同社は、実用的な用途に必要な量子リソースが大幅に減り、実用的な量子コンピューターが従来の予想より早く実現する可能性があると述べた。

量子コンピューターによる暗号解読をめぐっては、Google(グーグル)が3月、ビットコインの署名暗号を破るのに必要な物理量子ビットは50万個未満との推計を発表した。同社は15日にも、量子チップ「Willow(ウィロー)」で計算に必要な特殊な量子状態のエラーを約40分の1に減らしたと発表している。

一方、アンソロピックは暗号を破るのに必要な量子コンピューターの規模などには言及していない。今回の成果は解読計算の一部の改善で、直ちにビットコイン(BTC)などの安全性が損なわれるわけではない。ただし、AIによる量子アルゴリズムの改良が進めば、暗号資産業界の耐量子化の議論が前倒しされる可能性がある。

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|文・編集:井上 俊彦
|画像:Shutterstock

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