グーグルは10月15日、量子チップ「Willow(ウィロー)」を使い、量子計算に必要な特殊な状態を準備する際のエラーを約40分の1に減らしたと発表した。成果は同日、科学誌「Science」に掲載された。
今回の成果について、CoinDesk(コインデスク)は10月16日、公開鍵が露出している初期のビットコインが、将来的に量子攻撃の対象になり得ると指摘した。
ビットコインの送金には、本人が管理する「秘密鍵」と、署名の確認に使う「公開鍵」が関わる。通常のコンピューターで公開鍵から秘密鍵を割り出すことは、現実的な時間では困難だ。
一方、将来の大規模な量子コンピューターでは、それが可能になると考えられている。秘密鍵を得た攻撃者は、所有者になりすまして資産を動かせる。グーグルの研究資料は、こうした攻撃を分析している。
コインデスクによると、初期のビットコインの一部は、攻撃者が解読に長い時間を使える点が問題となる。公開鍵が最初からブロックチェーン上に記録されているため、送金時に初めて公開鍵が明らかになる形式と比べ、所有者の送金を待たずに攻撃を試みられるという。
危険が分かっても、安全な仕組みに移せない資産があることも課題だ。コインデスクは、所有者が秘密鍵を紛失している場合、将来、量子攻撃に耐える仕組みが導入されても資産を移せず、公開鍵が露出したまま残ると指摘している。
こうした攻撃を実行するには、大規模な量子計算を正確に進められる装置が必要になる。グーグルが今回改善したのは、その計算を支える「マジック状態」と呼ばれる特殊な量子状態を作る工程だ。一部の演算に必要で、一度使うと再利用できないため、計算中も供給し続ける必要がある。
新手法では、作る途中で検査し、エラーが見つかった試行を除外する。論文によると、検査後に残った約8%の試行で、目標の状態との一致度を示す「忠実度」が約99.99%に達した。

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|文:平木 昌宏
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