Coinbase、量子対策を今すぐ始めるよう提言──「数年かかる可能性もある」

暗号資産取引所Coinbase(コインベース)は10月13日、ビットコイン(BTC)の耐量子化に関する技術的見解をブログで公表し、開発者に今すぐに準備を始めるよう促した。

同社は、BTC総供給量の約5%を保管する世界最大級のカストディアンだ。ブログでは、コンセンサスの変更とエコシステムの移行には「数年かかる可能性がある」と指摘した。そのうえで、暗号を破る量子コンピューターが登場してからでは対応が間に合わないとの認識を示した。

技術要件として同社は、BIP-360が提案するP2MRのように、署名方式を後から追加・交換できる柔軟な「コンテナ」設計を支持した。同じ資金を従来型と耐量子型のどちらの鍵でも動かせる「1-of-2」方式による段階的な移行も提案した。さらに、MPC(マルチパーティ計算)で鍵を分割管理するカストディとの互換性も求めた。

一方、休眠コインや紛失コイン、サトシ時代のコインの扱いについては、別のガバナンス上の問題として議論すべきだとした。

同社は今回の文書を、最終的な立場ではなく議論のたたき台と位置づけている。7月にはBlackRock(ブラックロック)などと「Bitcoin Security Consortium(ビットコイン・セキュリティ・コンソーシアム)」を設立し、加盟9社は3年間で計1500万ドル(約24億円、1ドル=160円換算)を拠出すると表明している。

最大級のカストディアンが具体的な要件を示したことで、BTCの耐量子化をめぐる議論は設計の段階に進みつつある。

国内では金融庁が2024年に報告書をまとめ、預金取扱金融機関の優先度の高いシステムについて、2030年代半ばを目安に耐量子暗号を使える状態にすることが望ましいとした。

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|文・編集:井上 俊彦
|画像:Shutterstock

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