●ビットコイン(BTC)は木曜日に8万6800ドルを上回り、先週の高値8万7245ドルに迫った。市場では、日銀が示した新たな金利動向の手掛かりが材料視された。
●ビットコインETFは木曜日に1億270万ドルの純流入を記録した。9月30日には1億4870万ドルが流出し、9営業日連続の資金流入が途切れていた。
●日銀の会合資料の公表後も、10月の利上げ確率は約40%にとどまった。一方、米国の利上げ確率は、金曜日の雇用統計発表を前に85%から25%へ低下した。
BTCが8万6800ドル超え──ETFへの資金流入が再開、先物市場でもポジション構築が活発化
BTCは金曜日に8万6800ドルを上回り、先週の高値8万7245ドルに迫った。市場では、日本銀行と米連邦準備制度理事会(FRB)が示した新たな金融政策の手掛かりを見極める動きが続いている。
今回のBTCの上昇は、日銀が利上げに前向きな姿勢を示すなかで起きた。日銀が金融引き締めを加速すれば、世界的な流動性を圧迫する可能性がある。
10月2日金曜日に米労働統計局による9月の雇用統計の発表を控え、BTC市場では強気のポジションを積み上げる動きも始まっている。
雇用統計が市場予想を下回れば、金融引き締めに慎重な政策への期待が強まり、BTCを含むリスク資産の上昇を後押しする可能性がある。
今回の値動きに先立ち、日銀は10月1日、9月の金融政策決定会合の「主な意見」を公表した。資料からは、今後の利上げペースを巡り、政策委員の意見が分かれていることが明らかになった。
一方、ビットコインETFへの資金流入も再開した。それまで9営業日続いていた純流入は、直前に一度途切れていた。
米国の現物ビットコインETFには、9月17日から29日までの9営業日連続で、合計約30億7500万ドルが純流入した。

この連続流入は、9月30日に約1億4870万ドルの純流出を記録したことで途切れた。
しかし、10月1日木曜日にはETF需要が回復し、約1億270万ドルの純流入となった。
ETF需要の回復と時期を同じくして、BTCの無期限先物市場でも、月初からトレーダーの参加が増えた。
CoinGlassによると、10月1日のBTC現物価格の上昇率は約1.6%にとどまった一方、未決済建玉は24時間で約6%増加した。
最新のデリバティブ市場のデータでは、BTCの未決済建玉は5.87%増の563億5000万ドルとなった。先物取引高は699億1000万ドル、オプション取引高は26.39%増の46億ドルだった。

BTCの24時間のロング・ショート比率は1.0227となり、ロングポジションがショートポジションをわずかに上回った。
デリバティブ市場では、合計1億3214万ドルのポジションが清算された。このうちショートの清算額は約1億2654万ドルに達し、ロングの清算額は560万ドルにとどまった。
この内訳は、今回の8万6000ドル超えが、投機的なトレーダーの相場観に反する値動きだったことを示している。過去24時間に清算されたBTC先物ポジションの90%超をショートが占めた一方、ロング・ショート比率の偏りは比較的小さい。強気のポジションは増えているものの、極端な水準には達しておらず、さらなる上昇への期待が残る。
日銀内で利上げペースに意見の違い──市場は10月の追加利上げを再評価
日銀は10月1日、9月17〜18日の金融政策決定会合の「主な意見」を公表した。
資料では、金融政策の正常化を加速すべきだとする委員と、相次ぐ利上げの影響を慎重に見極めるべきだとする委員の間で、意見の違いが鮮明になった。
RateProbability.comが集計したデータによると、日銀は賛成7、反対2で、短期政策金利を1.25%に引き上げることを決定した。

ある意見では、日本経済が予想以上に底堅く推移していることを理由に、利上げの間隔を短くすべきだと主張した。
基調的な物価上昇率が日銀の2%目標に近づいているとの意見もあった。
ある委員は、物価が目標を大幅に上回るようになれば、日銀は利上げを加速する必要があると警告した。
こうした意見は、日本の金融政策が引き締めに傾く可能性を示しており、世界的な流動性にも影響を及ぼし得る。
一方、会合に出席した内閣府の代表者は、これまでの利上げによる累積的な影響を検証するよう日銀に求めた。
また、今回の決定について説明責任を果たし、これまでの利上げの累積的な影響を十分に点検するよう求めた。
この発言は、10月29〜30日の次回会合で追加利上げが行われるとの見方を和らげる一因となった。
原文執筆時点で、市場が織り込む日銀の0.25ポイントの追加利上げ確率は約40%で、据え置きの確率は約60%となっている。木曜日に公表された資料で新たな政策の手掛かりが示されたものの、トレーダーはなお、利上げを見送る比較的穏健な判断に期待していることがうかがえる。
BTCにとっては、日銀の追加利上げが先送りされれば、世界的な流動性への短期的な下押し圧力が抑えられる可能性がある。これが、2026年に入って初めて9万ドルを上回る動きを後押しすることも考えられる。
FRBの利上げ確率が25%に低下──米雇用統計がBTCの次の試金石に
市場の関心は、10月2日金曜日に発表される米雇用統計に移っている。
市場予想では、9月の非農業部門雇用者数は約9万人増と、8月の16万2000人増から伸びが鈍化する見通しだ。
失業率は4.1%で横ばい、平均時給は前月比0.3%増が予想されている。
前年同月比の賃金上昇率は約3.1〜3.2%と、前回の3.1%と同程度か、やや高くなる見込みだ。
今回の雇用統計は、FRBの10月の政策判断に対する市場の見方を左右する可能性がある。
雇用統計が予想を上回り、とりわけ賃金の高い伸びが続けば、追加利上げの観測が再び強まる可能性がある。
その場合、米国債利回りの上昇とドル高が進み、BTCを含むリスク資産への下押し圧力が強まることも考えられる。
反対に、雇用統計が予想を大幅に下回れば、逆の展開となり得る。雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回り、失業率が上昇すれば、FRBの追加利上げ観測が後退する可能性がある。
そうなれば、米国債利回りの上昇圧力が和らぎ、ドル安が進むことで、BTCにとってより好ましい流動性環境となる可能性がある。
記事執筆時点のPolymarketのデータでは、米国の利上げ確率は25%となっており、過去1週間の約85%から低下した。

金融政策の決定で投票権を持つ主要メンバーであるニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁は、重要な講演で、FRBが9月にすでに政策金利を3.75〜4.00%へ引き上げたことを踏まえ、現在は「急ぐ必要はない」と述べた。
同総裁は、次の政策変更を検討する前に、新たなデータを集めて評価する時間は十分にあると強調した。今回の雇用統計が、この見方を裏付けるかどうかが注目される。
BTCはすでに8万6800ドルを上回り、週の高値8万7245ドルに迫っている。金曜日の米雇用統計が、相場の次の方向を決める大きな材料となる可能性がある。
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