BTC(ビットコイン)はFOMC議事要旨が方向感を左右か、金利高で米財政リスクも意識【マネックス証券】

● 今週のビットコインは、米イラン協議の停滞を受けた原油高・米金利上昇から一時BTC=82,000ドル(約1295万円)台まで下落したものの、米PCE(個人消費支出)の鈍化を受けて利上げ観測が後退するなかで反発し、週を通してはもみ合う展開となった。

● 来週のビットコインは、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨を受けた追加利上げ観測の変化に加え、AI関連株や米イラン情勢の動向が相場の方向感を左右する展開が予想される。また、米金利高が続くなか、財政リスクへの警戒が強まるかにも注目したい。直近の価格レンジとして、上値はBTC=88,000ドル(約1390万円)、下値はBTC=80,000ドル(約1264万円)を意識する。

今週(9月25日~10月1日)の相場動向

相場回顧 BTC(ビットコイン):米イラン情勢で下落も、PCE鈍化を受け反発

ビットコインは、米イラン協議の停滞を受けた原油高・米金利上昇から一時BTC=82,000ドル(約1295万円)台まで下落したものの、米PCE(個人消費支出)の鈍化を受けて利上げ観測が後退するなかで反発し、週を通してはもみ合う展開となった。

週初は、前週の急騰後の利益確定売りが続いた。暗号資産取引所Bitgetで約3.9億ドルのハッキング被害が発生したことも投資家心理を悪化させた。ただし、同社が保護基金による損失補填を表明し、その後に出金を段階的に再開したことで、市場全体への影響は限定的となった。

その後、トランプ米大統領がイラン側の和平案を拒否したと伝わると原油価格が上昇し、インフレ再燃への警戒から米金利も上昇した。米国株が下落する中、ビットコインも下げ幅を拡大した。一方、ストラテジー[MSTR]が2週連続のビットコイン追加購入を発表したほか、現物ETFへの資金流入が続いたことが下値を支えた。

月末に発表された8月の米コアPCEが市場予想を下回ると、金融引き締めへの警戒が和らぎ、ビットコインは買い戻されてBTC=85,000ドル(約1343万円)台まで反発した。ただし、クックFRB(米連邦準備制度理事会)理事やバーFRB理事らがインフレへの警戒を示したほか、国債需給への懸念から米10年債利回りが5.3%近辺まで上昇したことで、戻りは鈍かった。

来週(10月2日~10月8日)の相場予想

BTC(ビットコイン)はFOMC議事要旨が方向感を左右か、金利高で米財政リスクも意識

来週のビットコインは、FOMC議事要旨を受けた追加利上げ観測の変化に加え、AI関連株や米イラン情勢の動向が相場の方向感を左右する展開が予想される。また、米金利高が続くなか、財政リスクへの警戒が強まるかにも注目したい。

まず、米金融政策では本日発表される9月米雇用統計を確認した上で、10月7日に公表されるFOMC議事要旨に注目したい。今週のPCEを受けて追加利上げ観測が一服するなか、雇用統計の結果次第では金融政策を巡る見方が再び揺れる可能性がある。議事要旨でタカ派的な議論が目立てば、米金利上昇とドル高を通じてビットコインの上値を抑える要因となるだろう。一方、慎重な姿勢が確認されれば、過度な警戒が和らぎ、相場の支援材料となりそうだ。

株式市場では、AI半導体株を中心に高値圏での推移が続いている。メタ・プラットフォームズ[META]の「Muse」に続いて、オープンAIもAIエージェントサービスを投入するなど競争が激しい。また、アンソロピック関連では、IPOの延期報道に加え、ロイターが入手した目論見書で2025年の営業損失が80億ドル超だったことなどが明らかになった。大型IPOへの期待が相場の買い材料となる反面、巨額の投資負担や収益性、AI開発リスクへの懸念が強まれば、AI半導体株で利益確定売りが広がり、ビットコインにもリスクオフの流れが波及する可能性がある。

米イラン情勢では、米国がイランの武器調達に関わる10個人・団体への追加制裁を発表する一方、カタールを介した停戦協議も続いている。イラン側が提示した和平案を巡っては米・イランの隔たりが残っており、早期の合意には不透明感がある。このまま対立が長期化して原油高が続けば、インフレ懸念と米金利高を通じてビットコインの重石となるだろう。

また、米長期金利の上昇が財政リスクへの懸念を強めている点にも注目したい。米国債市場では10年債利回りが5.3%台、30年債利回りが5.6%台まで上昇し、インフレだけでなく巨額の財政赤字や国債発行増への警戒も金利上昇要因となっている。今後、財政懸念が米国債や米ドルへの信認低下につながり、金利高とドル安が同時に進むようであれば、米ドルの代替資産として金とともにビットコインへ資金が向かう可能性がある。

暗号資産市場では、米国を中心に世界各地でオンチェーン金融の議論が進んでいる。日本でも金融庁が第1回となる「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」を開催したほか、財務省も国債のオンチェーン化に向けた研究会を立ち上げた。相場への直接的な影響は限定的だが、こうした取り組みが広がれば、ビットコインを含むデジタル資産の利用環境や普及を後押しする材料となるだろう。

直近の価格レンジとして、上値はBTC=88,000ドル(約1390万円)、下値はBTC=80000ドル(約1264万円)を意識する。

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