ブロックチェーン分析企業Chainalysis(チェイナリシス)は9月30日、シンガポールで暗号資産(仮想通貨)を通じて動いた資金が、2025年7月1日から2026年6月30日までの1年間で2840億ドル(約44兆円、1ドル=155円換算)に達したと発表した。
前年同期比55.4%増で、約1.55倍となった。Chainalysisの世界暗号資産普及指数でも、シンガポールは2025年版の63位から2026年版の27位へ順位を上げた。
中・東南アジア・オセアニア地域全体では暗号資産の動きが6.8%減少した一方、シンガポールは地域最大の規模となった。金融機関などが利用する専門サービスの取扱額は94%増の600億ドルに達し、全体の伸びをけん引した。一般的な取引所への流入は30%増、分散型取引所(DEX)への流入も69%増えた。

2840億ドルは、取引所での売買高を示す数字ではなく、取引所やDeFiへの資金流入、個人間送金、国境を越えた資金移動などを含め、シンガポールに関連して1年間に動いた暗号資産の総額を推計したものだ。暗号資産の保有残高ではなく、期間中の資金移動を集計している。

日本も2026年版の世界暗号資産普及指数で117カ国中4位となり、前年の19位から大きく順位を上げた。暗号資産サービスへの資金流入と国境を越えた資金移動はいずれも4位、国内の個人間取引は10位、オンチェーン残高は7位だった。
両国で市場拡大を支える要因には違いがみえる。シンガポールでは金融機関などによる大口の資金流入が目立つ一方、日本では資金流入や国境を越えた送金、個人間取引など幅広い分野で利用が拡大している。
日本では2025年10月に国内初の資金移動業型となる日本円建てステーブルコイン「JPYC」の発行と償還が始まった。今年6月には国内初の信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」が発行され、7月には暗号資産を金融商品として位置づける改正法が成立した。
【次に読む】
» 日本、世界の暗号資産普及指数で4位に──前年19位から大幅上昇=Chainalysis
» 暗号資産の金商法改正案が成立──仮想通貨、正式に「金融商品」へ
» JPYSC、すでに38億円相当発行──SBIが国内初の信託型円ステーブルコイン
|文:平木 昌宏
|画像:Chainalysis(キャプチャ)
|トップ画像:Adobe Stock