暗号資産(仮想通貨)取引所のCoinbase(コインベース)は9月10日、決済インフラ企業Moov(ムーブ)との提携を発表した。
Moovの顧客基盤である全米1000以上のコミュニティー銀行(地域銀行)と信用組合に向けて、ステーブルコイン決済の受け付け、精算、リアルタイムの資金供給機能を提供する。
Coinbaseが規制に準拠したデジタル資産インフラとカストディを担い、Moovがそれを既存の決済基盤に組み込む。金融機関は暗号資産システムを自前で構築せずに対応できるという。
CoinbaseのRyan VanGrack(ライアン・バングラック)副会長は「最新技術は地域の金融機関に寄り添い、最大手と競う手段を与えるべきだ」と述べた。
Citizens Bank of Edmond(シチズンズ・バンク・オブ・エドモンド)の会長兼CEO、Jill Castilla(ジル・カスティーヤ)氏は「中小企業の顧客は、カード決済手数料を抑え、より早く入金を受ける方法を求めている」と述べた。
大手金融機関では9月1日、Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)、Citi(シティ)、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)、Deutsche Bank(ドイツ銀行)、三菱UFJ(MUFG)など21社が、ステーブルコイン発行会社の設立計画を発表している。
一方で、米国独立コミュニティー銀行家協会(ICBA)などの地域銀行業界は、ステーブルコインへの預金流出を警戒している。9月15日に上院で審議入りの手続き投票を控える「CLARITY法案(クラリティ法案)」についても、利回り禁止の強化を求めてきた。今回の提携は、地域金融機関を競合ではなく担い手として取り込む動きといえる。
日本でも、横浜銀行や千葉銀行など43社が参加し、トークン化預金を使った銀行間決済の実証が8月20日に本格的に始まった。
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|文・編集:井上 俊彦
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