ポイント
・雇用統計で失速も切り返し8万ドル回復
・雇用は利下げ材料の剥落で、利上げの有無は金曜CPI次第
・イラン情勢の悪化は原油のみ反応、ウクライナ和平交渉でリスクオン気味
・本日は米休場で様子見
週末のBTC市場
週末のBTC市場は高値圏でもみ合い。

8.2万ドル(約1280万円)台で上値を重くすると、7.8万ドル(約1215万円)台に急落したが、足元では8万ドル近辺に値を戻している。
BTCは8月半ばに7万ドル近辺の200日移動平均線を上抜けて急騰。8.1万ドル台半ばで上昇が一服すると、タカ派のウォーシュ議長講演を受けて9月利上げの織り込みが3割台から7割近くに急上昇するなか、7.6万ドル台に値を下げた。
しかし、ウィリアムズNY連銀総裁やウォーラーFRB理事が条件付きながら据え置き支持を表明すると、利上げ織り込みは5割台まで低下し、BTCは8万ドル台を回復した。
木曜日から金曜日にかけて、ETFフローの回復や株価上昇によるトレジャリー企業の購入期待を背景に、8.2万ドルにワンタッチした。木曜日のETFフローは7.3億ドルと1月以来の高水準を記録し、ストラテジー社のmNAVは1.13に上昇、追加購入の可能性が高まった。
5月の戻り高値8.2万ドルで上値を押さえられると、注目の雇用統計で非農業部門雇用者数が16.2万人と予想の5.5万人を大きく上回ったことを受け、BTCは7.9万ドル台に急落した。さらにトランプ大統領が「利下げ」しなければ貿易赤字国との貿易を禁止すると言い出すと、7.8万ドル台に値を落とした。
しかし9月利上げ織り込みの上昇は6割程度にとどまると、ウィトコフ特使のモスクワ・キーウ訪問に際しゼレンスキー大統領が訪問期間中の空爆停止を提案し、ロシアもこれに応じたこともあり、BTCはじりじりと8万ドル台を回復した。雇用統計後の急落にもかかわらず、金曜日のETFフローが1.74億ドルとプラスだったことも相場の後押しとなった。
週末は革命防衛隊(IRGC)による米海軍攻撃と、その報復としての米軍によるイランタンカー3隻への攻撃があり、週明けの原油相場は上昇して始まったが、BTC市場への影響は限定的だった。
本日のBTC市場
本日のBTC市場は、上値は重いが下値も堅い展開を予想する。
BTCは強めの雇用統計を受けて失速したが、下に行って来いの展開となった。
8月のジャクソンホールでのタカ派発言で利上げ観測を引き上げたウォーシュ議長は、利上げに否定的なトランプ大統領やベッセント財務長官との関係で、「ホワイトハウスの言いなりでは」と市場やFOMCメンバーに警戒される板挟みの状態だった。そこにウィリアムズ、ウォーラー両氏が、インフレが落ち着いていればという条件付きで据え置き支持を表明し、議長に助け舟を出した。従来以上に指標が注目されるなか、強めの雇用統計が出て市場はいったんリスクオフ、BTCも急落した。ただ利上げの織り込みは5割から6割に上昇したにすぎず、BTCは8万ドル台まで戻している。
よく考えれば、物価の安定と最大雇用を掲げるFRBにとって、雇用は悪化すれば利下げ材料になる指標であって、多少強いからといって利上げする必要はない。雇用が過熱してインフレ圧力になるなら別だが、NFPは10万人台で、過熱とまでは言いにくい。足元のインフレで目立つのは原油だ。結局、金曜のCPIを見なければ分からない、という見方が広がったのだろう。
また週末には、イランの米艦攻撃と米軍のタンカー攻撃、米特使のロシア・ウクライナ訪問という、地政学面で2つの大きな動きがあった。仮にイランのミサイルが米艦に命中していれば、大変なエスカレーションになりかねない事態だったが、幸い米艦側の被害はなかった模様だ。また、イランの攻撃に対してイランのタンカーを攻撃することが原油高を招き、果たして米国の利益になるのか、疑問は残る。ただ市場はどちらかと言えば後者を歓迎し、若干リスクオン気味に反応している。市場はイラン問題の長期化を織り込み始め、反応が薄くなってきている印象だ。
本日は米休場で、買いの主力であるETFフローがないだけに、上値トライは期待しにくい。明日はレイバーデー明けで投資家が本格的に戻ってくる。週末にCPIを控えていることもあり、本日は様子見が強まりそうだ。
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※この記事は「楽天ウォレット」のデイリーレポートを転載したものです。
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