・ビットコイン(BTC)7万9500ドルを上回る水準を維持している。ただし、9月11日の米消費者物価指数(CPI)発表を前に、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測が強まっており、8万2300ドル突破の見通しに不透明感が増している。
・過去1週間で、BTCと金の連動性は大きく薄れた。両資産の相関係数は、8月27日から9月6日にかけて、過去3年間で最高の約0.92から0.27へ低下した。
・7万9500ドルを上回る限り、テクニカル面では買い方が優位を保っている。ただし、上昇継続のカギは8万2300ドルの突破であり、下値では7万6000〜7万7000ドルが主な警戒水準となる。
BTCは7万9500ドルを維持、FRBの利上げ観測が強まるなか米CPIに注目
BTCは9月6日(日)、7万9680ドルで取引を開始した。金曜日の堅調な米雇用統計を受け、市場参加者がFRBの金融政策見通しを見直すなか、週末を通じて7万9500ドルを上回る水準でもみ合った。
米労働統計局によると、8月の米雇用者数は16万2000人増となり、市場予想の5万3000〜5万6000人増を上回った。失業率は4.1%で横ばいだった。
金利市場で利上げを織り込む動きが強まったにもかかわらず、週末のBTCは狭いレンジでの値動きにとどまった。CMEのFedWatchツールによると、日曜日時点で9月の利上げ確率は58.6%となった。先週のクリストファー・ウォラーFRB理事のハト派的な発言後には50.2%だったが、非農業部門雇用者数(NFP)の発表を受けて上昇した。

ウォラー理事は先に、インフレ率がFRBの目標である2%に向けて低下し続けるなら、金利据え置きを支持する可能性があると示唆していた。
この発言が暗号資産市場全体の上昇を後押しし、木曜日にはBTC価格と暗号資産市場全体の時価総額がいずれも4%近く上昇した。
![image1 | NADA NEWS(ナダ・ニュース) Bar chart of US CPI by month, July 2026 value 333.918 points (BLS).] ,](https://www.nadanews.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
堅調な米雇用統計を受け、FRBが9月16日に下す政策判断の手がかりを求める市場の関心は、再びインフレ動向へ移っている。そのため、11日のCPI発表が、BTC相場を左右する次の重要なマクロ経済材料となる。
米国の消費者物価の上昇率は7月に2カ月連続で鈍化した。前年同月比のインフレ率は6月の3.5%から3.4%へ低下し、市場予想と一致した。
提示されたデータによると、米CPIの指数水準も6月の333.95ポイントから7月には333.92ポイントへわずかに低下した。一方、Trading Economicsによると、アナリストは8月の指数が334.9ポイントへ上昇すると予想している。
BTCにとって重要なのは、インフレ率が単に上がるか下がるかではない。市場が見極めるのは、8月の結果が、FRBの次回の政策判断に対する従来の見方を裏づけるのか、それとも揺るがすのかという点だ。
CPIが予想を上回れば、足元で高まっている利上げ観測がさらに強まる可能性がある。その場合、米国債利回りとドルが上昇し、リスク資産には下押し圧力がかかり得る。
反対に、インフレ指標が再び落ち着いた結果となれば、最近の利上げを織り込む動きが巻き戻され、9月の金利据え置きへの期待が再び高まる可能性がある。
9月11日のCPI発表を前に、BTCは金に対して強含む
それでも、CPI発表を控えたBTC相場は、過去のマクロ経済ショック時に比べて底堅さを増しているように見える。注目すべき変化の一つが、金との関係だ。
BTCと金の相関係数は8月28日に約0.92となり、過去3年間で最高を記録した。これは、それまでのリスク回避や通貨価値の目減りへの懸念が意識されていた局面で、両資産がいかに密接に連動していたかを示している。

その後、BTCと金の連動性は大きく薄れた。ウォラー理事のハト派的な発言と、それに続く木曜日のBTCの上昇を経て、両資産の相関係数は9月6日(日)までに0.27へ低下した。
この連動性の低下は、BTCがもはや単に金の値動きに追随しているわけではないことを示唆している。
BTCはむしろ、独自の流動性環境、デリバティブ市場のポジション動向、暗号資産に固有の需要といった要因の組み合わせに、より強く反応するようになっている。
この違いは、金曜日の堅調な雇用統計の発表後に特に鮮明になった。早期の利下げを後押ししにくいマクロ経済環境になったにもかかわらず、BTCは大きく下落せず、7万9500ドルを上回る水準を維持した。
CPI発表を前に、この底堅さは重要な意味を持つ。売り方はまだ、BTCを直近の取引レンジの下限へ押し戻せるほどの主導権を握っていないと考えられるためだ。
ストラテジーが9月7日までに追加購入を発表する確率、市場は8%を織り込む
月曜日に市場参加者が注目するもう一つの材料が、ストラテジーによる定期的なビットコイン購入の発表だ。企業として世界最大のビットコイン保有量を誇る同社は、2026年8月31日、4603BTCを3億6970万ドルで購入したと発表し、10週間にわたる購入休止を終えた。
現在、予測市場では9月7日までに再び購入が発表される可能性は比較的低いとみられている。Polymarketでは、日曜日にマイケル・セイラーが意味深な動画を公開してから数時間後、その確率が約18%から7%近辺へ低下した。動画には、稲妻を帯びたビットコインのマーク入りコインを手に入れるレースで、クマを撃退するセイラーの姿が描かれている。

ストラテジーが予想に反して購入を発表した場合、現在の予想確率が低いことから、市場はその材料を十分に織り込んでいない可能性がある。そのため、発表が相場の上昇にさらに弾みをつけることも考えられる。
一方、購入の発表がなかったとしても、もともとの期待が低いことから、大きな追加の売り圧力にはつながらない可能性がある。
BTC価格見通し:雇用統計後も買い方は7万9500ドルのサポートを維持、8万2000ドル突破が焦点に
CPI発表を控える週に入るなか、BTC/USDのチャートは上向きの兆しを示しているものの、強気基調が明確になったとはいえない。直近のローソク足は、一時8万2283ドルまで上昇した後、7万9823ドル付近で推移している。
上値側では、8万1000〜8万2300ドル付近にある2つの緑色のブレイクアウト確率マーカーが、それぞれ28.67%と32.26%を示している。8万2300ドルを明確に上抜ければ、上昇継続の見通しが強まり、買い方が直近のマクロ経済要因による下押し圧力を吸収したことを示すだろう。

市場参加者が大きな含み益を抱えるなか、上値側よりも高い確率を示す下値側のマーカーに注目が集まる可能性がある。赤色のマーカーは7万6000〜7万7000ドル付近に集中しており、それぞれ54.12%と47.27%を示している。
9月11日の米CPIを受けて市場で金融引き締めを織り込む動きが強まれば、この価格帯が特に重要になる。
週足チャートの「Breakout Probability」指標は、過去の判定で的中386回、不的中226回を記録している。過去の的中率は63.07%であり、慎重な判断が求められる。
また、この価格帯は直近の週足安値である7万6219ドルに近い。したがって、7万9500ドルのサポート水準から7万6000ドルに向けて下落すれば、8月下旬の上昇で実現した上抜けを買い方が維持できるかどうかが試される。
それでも、現時点の勢いは買い方に有利だ。週足MACDのヒストグラムはプラス圏でさらに拡大し、MACDラインはシグナルラインを上回ったまま上昇を続けている。これは、単なる1週間の価格反発にとどまらず、上昇の勢いそのものが強まっていることを示している。
ただし、マクロ経済をめぐる不確実性が大きい週を前に、BTCは重要な上値抵抗帯に近づいている。出来高を維持しながら週足終値で8万2300ドルを上回ることが、強気見通しを最も明確に裏づける動きとなる。
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