イーサリアム上で固定金利型のDeFi(分散型金融)融資サービスを提供するTerm Financeで23日、ガバナンス機能を悪用した攻撃が発生し、約850万ドル(約13億6000万円、1ドル=160円換算)相当の暗号資産がVaultから流出したとみられる。ブロックチェーンセキュリティ企業PeckShieldとCertiKが被害を報告した。
Term LabsはXで、「Term Vaultに影響を及ぼすガバナンスエクスプロイトを確認している。調査が進み次第、詳細を共有する」と発表した。現時点では被害規模や影響を受けたVaultの詳細は公表していない。
PeckShieldによると、攻撃者は約2843ETH(約690万ドル相当)と約168万USDCを引き出し、その後USDCを約168万DAIへ交換した。また、攻撃者のアドレスは当初、暗号資産ミキシングサービス「Tornado Cash」から2ETHを受け取っていたという。CertiKも被害額を約850万ドルと推計している。
Term FinanceのStrategy Vaultは、Yearn V3を基盤としたERC-4626規格のトークン化Vaultで、固定金利市場と変動金利プロトコルへ資金を配分する仕組みを採用している。Yearnは今回の事案について、脆弱性はTerm独自のガバナンス機構にあり、標準的なYearn V3 Vaultには影響がなく、預け入れ資産は安全だと説明した。
Termのガバナンスでは、ガバナーがリスク設定やプロトコル管理を担い、流動性提供者(LP)は7日間のタイムロック期間中に提案への拒否権を行使できる仕組みとなっている。しかし、今回の攻撃ではこうした保護機能が機能せず、攻撃者がどの権限を悪用したのかは明らかになっていない。
DefiLlamaによると、攻撃前のStrategy VaultのTVL(預かり資産総額)は約1245万ドルだった。今回の被害額はVault全体のTVLの約68%に相当し、イーサリアム上のVault資産のほぼ全てが流出した計算となる。なお、Term Finance全体のTVLは攻撃前時点で約2580万ドルだった。
|文・編集:Shoko Galaviz
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