ポイント
・6.5万ドルで上値重く、6.2万ドルでサポート
・利上げ観測後退のリスクオンとイラン情勢長期化のリスクオフとが相殺
・株はサマーラリー、BTCは夏枯れ相場
・ETFフローが流出に転じ下押し圧力、企業売却も続く
先週のBTC市場
先週のBTC市場は上値の重い展開となった。

週明けは6.5万ドル(約1,035万円)台で上値を重くし、金曜日には6.2万ドル(約985万円)台まで値を下げ、円建てでは一時1,000万円を割り込んだ。
BTCは月初に年初来安値5.7万ドルと戻り高値6.7万ドルの半値押しとなる6.2万ドルでサポートされると、イラン・オマーンの協議進展を受けじりじりと値を戻した。しかし、イランがオマーンと合意に達したと発表したものの米国とイスラエルは対象外とされ、またClarity法案の休会前の審議入りが事実上不可能となったこともあり、6.5万ドル手前で上値を重くした。金曜日の雇用統計が弱く、利上げ観測が後退すると6.5万ドル台半ばに値を伸ばした。
週末にClarity法案は審議入りの採決が休会後の9月15日となり、わずかながら希望が残ったことから、週明けのBTCは6.5万ドル台を回復したが、ストラテジー社が1,690BTCを売却したこともあり、週明けの米市場がオープンすると失速し、6.4万ドルを割り込んだ。
続いてマイニング大手Riot社も第2四半期に4,300BTCの売却を発表したが、同時にアンソロピックとの巨額データセンター契約も発表し、時間外で同社株が上昇する中、BTCは底堅く推移した。
火曜日の米株オープン前に米軍がイラン封鎖を突破しようとする船舶に発砲し、米株がオープンするとBTCは6.3万ドル近辺に失速したが、SECがClarity法案に代わる新たな暗号資産規制に関する会議を金曜日に開催すると報じられると下げ渋った。
水曜日のCPIはほぼ予想通りとなったが、前週の雇用統計と合わせて利上げ観測が後退した。しかし、米株がオープンするとBTCは失速した。トランプ大統領がホルムズ海峡は米国が支配していると投稿したことも相場の重しとなった可能性がある。
木曜日のPPIは弱めとなったが、例によって米株がオープンするとBTCは上値を重くし、一時6.3万ドルを割り込んだ。
その後6.3万ドル台に値を戻したが、金曜日の朝方、イランがUAEのタンカー2隻を攻撃し、またSECが暗号資産関連会議を中止するとBTCは上値を重くし、金曜日の米株市場がオープンすると6.2万ドル台半ばに値を落とした。
週末は、CFTCが開催する暗号資産と予想市場に関する会議にトランプ大統領も出席するとされたこともあり、6.3万ドルを挟んでのもみ合い推移となっている。
本日のBTC市場
本日のBTC市場は底堅い展開を予想する。
先週の市場は雇用統計やCPIを受けた利上げ観測の後退によるリスクオンと、イラン・オマーン協議進展期待の後退によるリスクオフとが相殺された格好となった。米株市場はサマーラリー気味に史上最高値を更新したが、BTC市場は夏枯れ気味にじり安となった。
主因はフローの減少である。前週+853百万ドルの流入だったETFフローは、先週は▲389百万ドルの流出に転じていた。1日あたり1億ドル程度の売り圧力に過ぎないが、米株市場がオープンするとBTCが売られるパターンが続いたのは、夏休みシーズンで参加者が少なかったせいかもしれない。
ストラテジー社も前週と同様、週1億ドル程度の売却を行った。今回は優先株の配当がなかったにもかかわらず売却したことが特徴的で、優先株STRCの買い戻しに充当され、一時96ドルに回復したが、その分BTC価格には下押し圧力となった可能性がある。同社はMSCIからの除外も検討され始めており、普通株発行にも黄色信号が灯っている。
Clarity法案の成立は厳しくなったが、それに代わる規制をSECが策定するはずだった会議が中止された。漏れ伝わるところでは、規制機関が先走ると議会での合意形成の足かせになりかねないという政権側からの牽制が入った模様だ。一方、CFTCが主催する水曜日の会議へのトランプ大統領の出席が急遽予定されており、政権の暗号資産推進姿勢は変わりない模様だ。中間選挙に向けた「実績」作りの一環でウルトラCがあるか注目される。
イラン情勢は引き続き混沌としているが、原油価格は80ドル台で比較的安定している。市場はこの問題の長期化を織り込みつつある印象だ。言い換えれば、衝突から半年が経過しようとしており、代替供給や中国の需要減などにより当初懸念されたパニックは起こっておらず、市場は「ホルムズショック」を克服しつつあるのかもしれない。
こうした中、BTCは来週のジャクソンホールに向けて手掛かり難の展開が続きそうだが、テクニカル的には6.7万ドルをレジスタンスとした上昇トライアングルを形成している。5.7万ドルと6.7万ドルの半値押しとなる6.2万ドルでサポートされている限りは、いずれ上抜けする可能性がある。
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※この記事は「楽天ウォレット」のデイリーレポートを転載したものです。
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