BNB Chain、エージェント型AI向け次世代レイヤー1を2027年初頭に立ち上げへ【価格分析】

・BNB Chainは、エージェント型AIアプリケーションを含むAI活用を見据えた次世代レイヤー1について、2026年末までにテストネット、2027年初頭にメインネットを公開する計画を示した。
・既存のAI連携とは異なり、このネットワークはAI機能を基盤レイヤーのアーキテクチャに組み込み、性能とスケーラビリティの最適化を図る。
・BNB価格は年初来で34%下落しているものの、同ネットワークのDeFiエコシステムは拡大を続けており、ロック総額(TVL)は760万BNBから860万BNBに増加した。

BNB Chain、最新ロードマップで次世代レイヤー1構想を提示

BNB Chainは7月8日、複数年にわたるロードマップを発表し、2027年までにエージェント型AIアプリケーションを含むAI活用を見据えたブロックチェーンを立ち上げる計画を明らかにした。

公式ブログによると、BNB ChainはAI機能を基盤インフラに直接組み込む方針だ。ロードマップでは、AIワークロードを支えるために特化して設計されたレイヤー1ネットワークを構想しており、自律型AIエージェントに合わせた性能最適化、コンセンサス機構、データ可用性機能の実装を目指している。

BNB Chainは2026年前半、主力のレイヤー1ネットワークの性能を強化し、2027年に計画するAIネイティブなブロックチェーンアーキテクチャの技術的基盤を整えた。

Fermiハードフォーク後、BNB Smart Chain(BSC)は平均ブロック生成間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、より高い頻度でトランザクションを処理できるようになった。トランザクションが不可逆とみなされるまでの時間を示すインメモリ・ファイナリティも、1,125ミリ秒から650ミリ秒に改善された。さらに、ベンチマーク上のスループットは毎秒2,800トランザクション(TPS)から約5,200TPSへとほぼ倍増した。

また同ネットワークは、Osaka/Mendelハードフォーク後にメインネット上のチェーン再編成(リオーグ)が大幅に減少したと報告している。これにより、ネットワークの安定性が向上し、トランザクションが取り消される可能性も低下した。

BNB Chainは、こうした改善は複数のプロトコルレベルのアップグレードによるものだと説明している。具体的には、並列実行に向けてネットワークを準備するBlock-Level Access List、実行時の負荷を減らすEVM SuperInstruction、ノード同期を高速化するIncremental Snapshots、トランザクションのファイナリティを改善するExtended Voting Rulesなどが含まれる。

インフラ面だけでなく、BNB ChainはAI導入を加速するための開発者向けツールも導入した。自律型オンチェーンAIエージェントを展開するためのBNB Agent StudioとBNB Agent SDKに加え、より高度な決済アプリケーションの開発を支援するMiddleware Payment Protocol(MPP)SDKも提供している。

2026年後半に向けて、同ネットワークは直近の優先事項として、BSCメインネットのスループット再倍増、アプリケーション間の負荷干渉を抑える高度なリソース分離、Web2企業とWeb3開発者の双方にとって参入コストを下げるガス料金体系の見直しを掲げている。

BNB価格は年初来34%下落も、BNB ChainのDeFi TVLは13%増加

BNBは今年、現物市場で苦戦している。一方でオンチェーン活動を見ると、ユーザーは同ネットワークの分散型金融(DeFi)エコシステムに引き続き資金を投入していることがうかがえる。

7月8日時点で、BNBは566ドル前後で取引されており、1月の始値863.05ドルから約34.3%下落している。

Dashboard showing Total Value Locked in DeFi at .857b with key metrics (Stablecoins MCAP, RWA, Fees, Revenue) on a dark UI; TVL chart on right edge, date tooltip shown (07 Jul 2026).
<BNB Chainの預かり資産総額(TVL)|出典:DeFiLlama、2026年7月8日>

一方、DeFiLlamaのデータによると、BNB Chain上の預かり資産総額(TVL)は年初の約760万BNBから、7月8日時点で860万BNBに増加した。ドル建てでは49億ドル相当となる。これは、年初からネイティブトークン建ての預け入れが13%増加したことを示している。

TVLは、レンディングプロトコル、分散型取引所、リキッドステーキングプラットフォームなどのDeFiアプリケーションに預け入れられている暗号資産の量を示す指標だ。TVLの上昇は一般的に、より多くのユーザーがエコシステムに資産を投じていることを意味し、利用可能な流動性やネットワークの有用性が高まっていることを示す。

価格とTVLの乖離は、BNB保有者の多くが市場下落局面で売却するのではなく、トークンをステーキングしたりDeFiプロトコルに投入したりすることを選んでいる可能性を示している。これは、トークン価格の推移が弱いなかでも、同ネットワークへの信頼が続いていることを反映している。

また、より多くのBNBがDeFiアプリケーション内にロックされることで、市場で売買されやすい流動供給量は減少する。AI特化型インフラの展開後にユーザー活動の回復が伴い、オンチェーン流動性の拡大が続けば、短期的な価格推移が引き続き下押し圧力を受けるなかでも、長期的なエコシステム成長に向けたより強固な土台となる可能性がある。

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